平成22年度「課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」の表面改質

 経済産業省の平成22年度「課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」実証事業の採択結果が公表された。平成23年1月24日~2月21日の期間で公募を行ったところ、期間内に303件の応募があった。応募のあった提案について、外部の有識者による審査委員会において厳正に審査を行った結果、36件の実証事業を採択することが決定した。

 表面改質が関連すると思われる事業は以下のとおり。

安心・安全な歯科医療を実現する純国産の早期治癒型歯科インプラントの開発

研究開発の要約

現在、歯科医療現場では現在、外国製品が主流であるインプラントを顎骨不足の患者に治療できないという喫緊の課題がある。そこで地域の特色あるものづくり技術(金属粉末射出成形法・研削・コーティング)を結集し、高強度・高精度なチタン基材、及び骨分化を促進するDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コート技術を活用することで、低侵襲かつ早期治療を可能とする純国産の高付加価値・低コストな歯科インプラントの非臨床開発を行う。

事業管理機関

公益財団法人ひろしま産業振興機構

再委託先

①株式会社キャステム、②株式会社ジーシー、③トーヨーエイテック株式会社④国立大学法人広島大学、⑤学校法人近畿大学

界面制御CNTコンポジット材料を用いた高機能人工関節の開発

研究開発の要約

変形関節症や関節リウマチ等により、人工関節手術を必要とする患者数が近年飛躍的に増加している。しかし人工関節には、ポリエチレンの摩耗やセラミックスの破損などのために、再手術が必要になるという大きな問題がある。術後20年で再手術が行われる患者数は全体の10%を上回り、人工関節の長寿命化を切望する医療現場の声は大きい。このため、CNT(carbon nanotube)を用いた耐久性の高いポリエチレンやセラミックスを開発し、再手術を必要としない高機能人工関節の臨床応用を実現する。

事業管理機関

財団法人長野県テクノ財団

再委託先

①ナカシマメディカル株式会社、②MEFS株式会社、③国立大学法人信州大学、④国立大学法人岡山大学、⑤独立行政法人国立高等専門学校機構徳山工業高等専門学校、⑥岡山県工業技術センター

純チタンマイクロ多孔板による新医領域への展開<フルメタル・バリアフィルター>による歯周組織再生

研究開発の要約

歯周病で破壊された歯周組織は、手術でバリア膜と呼ばれる特殊なフィルターを埋め込むことで再生可能であるが、現在のバリア膜は脆弱なポリマー製で厚みもあるため、再生に際しての課題や感染による失敗を生じることがある。本事業では、ポリマー製フィルターを強度に優れた純チタン製に置き換えることで、問題の克服を目指す。純チタン薄板に、20μm以下の貫通孔を微細精密加工により無数に形成してフィルター機能を確立し、従来の1/8 (50μm) の薄さで、かつ生体適合性に優れたフルメタル・バリア膜(フィルター)を創製することで、歯周組織再生を飛躍的に向上させる。

事業管理機関

新世代加工システム

再委託先

①国立大学法人東北大学、②独立行政法人理化学研究所、③学校法人近畿大学、④国立大学法人東京医科歯科大学、⑤株式会社長峰製作所、⑥株式会社モリタ

長期留置時の合併症を低減するためのカテーテル材料の最適化

研究開発の要約

近年、有効な抗癌剤が複数製品化され、その投与に用いるため太い血管にチューブ(カテーテル)を留置する機会が増え留置期間も長期化しているが、血管内に人工物を留置すると生体反応によりカテーテルの周囲が凝固した血液に覆われて薬剤が投与できなくなったり、微生物が増殖する温床になるケースがあった。本研究では、材料表面、カテーテル柔軟性、留置位置等の影響を総合的に評価し、長期に安全に留置できるカテーテルの開発を目指す。

事業管理機関

株式会社パイオラックスメディカルデバイス

再委託先

①国立大学法人群馬大学、②群馬県立がんセンター