日本マクダーミッド、世界のめっき動向を発信するセミナーを開催

 日本マクダーミッド( http://www.macd.co.jp/ )は9月5日、川崎市高津区のホテルKSP会議室で「第1回自動車部品向けめっき技術セミナー」を開催した。当日は自動車メーカー各社をはじめ、Tier1、Tier2のサプライヤー、めっき専門業者などが多数参加した。講演は親会社の米国・マクダーミッドなど世界各地から専門分野のエキスパートが講師を務め、合計9題が行われた。

挨拶するベイショア社長挨拶するベイショア社長 冒頭、挨拶に立ったジュリアン・ベイショア社長は、「我が社は約40年前に日本市場に参入し、今日は国内で初めて自動車に関するセミナーを開催することとなった。本日はドイツ、オランダ、イギリス、そしてアメリカよりグループの技術者が講演をさせて頂くので、我が社製品の宣伝ということよりも、海外のめっき情報および業界動向を日本企業の皆様に発信していきたいと思っている。ご来場の皆様におかれましては、有意義な時間になることを期待している」と述べた。

 続いて、Max DiMarco氏(Market Manager,Greater China)が「ZinKlad(ジンクラッド)システム―亜鉛・亜鉛合金めっきから摩擦制御まで―」と題して講演。同システムは、欧州のELV規制に応じて2001年に開発された六価クロムフリーのめっき処理で、亜鉛、亜鉛・鉄、亜鉛・ニッケルなどの下地コーティングに三価クロム化成処理、トップコートで構成される。マクダーミッドが処理工程、工程管理、試験装置、品質管理などを監査し、承認が得られると認定証が交付される。現在のところ、世界で70以上の認定業者があり、GMやフォード、フォルクスワーゲンなどに採用されている。日本国内は現在認定業者を募集中で、今後自動車分野に注力する日本マクダーミッドとしてはグループにおける世界各地での実績を強みに拡販を図るという。

 引き続き、Gregor Stoesser氏(Project Manager)が「亜鉛・高ニッケル合金めっき―Enviralloy NiFlex(エンバイラロイ ナイフレックス)12の延性とその他の特長―」で登壇。めっき処理を施した管材において、曲げ加工の際に生じるはく離と改善方法について解説。従来のアルカリ亜鉛・ニッケルめっきでは、管材の外側(引張り側)と内側(圧縮側)で荷重により不規則なクラックが形成され、皮膜のはく離につながっていたが、エンバイラロイ ナイフレック12は亜鉛・ニッケルめっきに添加剤を加えることで、多数のクラックを意図的に発生させるよって柱状構造を形成、皮膜中の機械応力を低減し、はく離を防止する。また、耐食性においても犠牲防食効果により規格をクリアするという。

 さらに同氏は「コバルトフリー化成処理システムとヨーロッパの最新環境規制」と題して講演。マクダーミッドでは今後、三価クロムに含まれているコバルト塩が欧州で規制されることを懸念しており、規制に先駆けてコバルトフリー化成処理の開発を行っている。現在は、亜鉛めっき上のコバルトフリー化成処理は工業基準への適合性についての実績はないが、亜鉛・ニッケルめっき上へのコバルトフリー三価クロム化成処理は自動車メーカーの要求基準に適合しているという。将来的なコバルト塩の規制の実施を見守りつつ開発を継続していくという。

 このほか、当日は以下の講演が実施された。鈴木誠司氏(エレクトロニクス営業課 係長)「MID(Mold Interconnect Devices)三次元成形回路部品用めっきの最適化」、長谷部 昭彦氏(技術本部 IS課 課長代理)「ロシア溶融塩試験:腐食メカニズムの電気化学的調査」、Lammert DeBoer氏(Global Director - Decorative Coatings)「"evolve"プラスチック用クロムフリーエッチングプロセス」、John Szczypka氏(Global Product Director for Engineering Coatings and Surface Conditioning)「無電解ニッケル―機能めっき皮膜と自動車への適用」、Bernie Banks氏(Technical Sales Manager, FIM - Asia)「プラスチック部品へのハードコートフィルムという選択」、Michael Siegmund氏(Executive Vice President, Global Automotive Supply Chain)「貴社のグローバルなサプライチェーンへの貢献を目指して」。

 同社では、来年以降も年一回程度今回のような世界のめっき処理の動向を紹介するセミナーを開催する予定だという。

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