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第9回ものづくりワールド名古屋

 

産総研など、微細回路を簡便・高速・大面積に印刷できる新原理の印刷技術を開発

 産業技術総合研究所、東京大学、山形大学、田中貴金属工業は共同で、紫外光照射でパターニングし、銀ナノ粒子を高濃度に含む銀ナノインクを表面コーティングするだけで、超高精細な銀配線パターンを製造できる印刷技術「スーパーナップ(SuPR-NaP:表面光反応性ナノメタル印刷)法」を開発した。

 プリンテッドエレクトロニクス技術のうち、微細な電子回路の構成に欠かせない高精細な金属配線を印刷する技術は、冶具・版などの汚染による繰り返し再現性の乏しさ、塗布後の基材表面上での金属粒子どうしの焼結・融着、高温の後処理によるプラスチック基板の歪み、基材の屈曲による配線の剥がれなどが課題だった。

 今回開発した技術は、紫外光の照射によって形成した活性の高い基材表面上に、銀ナノインク内の銀ナノ粒子を選択的に化学吸着させ、粒子と粒子との自己融着によって低い抵抗の銀配線を形成する。これにより、プラスチック基板に強く密着し、最小線幅0.8μmの超高精細な金属配線を真空技術を使うことなく、大面積基材上に簡便・高速に印刷で作製できるようになった。フレキシブルなタッチパネルセンサーがこの技術によって実用化される予定であり、今回8インチの試作品を作製した。

(1)紫外光のマスク露光、(2)反応性表面の潜像形成、 (3)銀ナノインクのブレードコーティング、(4)銀配線パターンの形成。(1)紫外光のマスク露光、(2)反応性表面の潜像形成、 (3)銀ナノインクのブレードコーティング、(4)銀配線パターンの形成。