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第9回ものづくりワールド名古屋

 

IHI Ionbond、国内で受託サービスの稼働を開始

 本年4月に設立されたIHI Ionbond Japanは、IHI横浜事業所内で、本年6月からPVDコーティングを主に受託サービスを開始した。まずは工具・金型向けに小規模で開始、将来的には自動車など部品のグローバルでの受託をターゲットに据える。さらに、IHIがネットワークを有しIonbondが英仏で多数の実績を持つ航空宇宙分野も、視野に入れる。

 IonbondのPVD処理ではすでに、Hauzerの成膜装置をプラットフォームにしてプロセスを高度化しており、国内では金型に被覆されたコーティングの脱膜処理を行う新東工業製直圧式エアーブラスト「MYシリーズ」や単槽式真空精密洗浄システムnovatec製「2CRD200」や、Hauzer製小型成膜装置Flexicoatなどの設備で対応。当面の注力市場となる金型・工具向けでは、切削工具向けのTiSiNベースの多層構造を持つ「Hardcut Plus」や高性能TiAlNコーティング「Maximizer Plus」のほか、窒化処理なしで各種ハイテン材のプレス金型向けに耐疲労特性と低摩擦特性を付与する「Ionbond 90 Concept」と、アルミダイカスト金型向けに耐焼付き性を向上する「Ionbond 35 CrWN」の適用を提案していく。

 同社の親会社であるIHIは、2008年にPVDコーティング装置を世界市場に販売しているオランダ・ハウザーテクノコーティング、2012年に耐摩耗性コーティング受託加工大手のスイス・イオンボンド、2015年にドイツで熱処理受託加工を中心に展開するVTNを買収。熱処理・コーティングなどの表面改質事業で世界的な拡大を図っている。