日産、ボディ用塗装材料をタマゴ型スピーカーの振動板に応用

塗装材料が採用された「タマゴ型スピーカー」 日産自動車( http://www.nissan-global.com )は、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(ASM、 http://www.asmi.jp )と共同で開発した塗料用の材料が、ビフレステック( http://www.bifrostec.co.jp )が発売するタマゴ型スピーカーの振動板に採用されたと発表した。

 タマゴ型スピーカーは、振動板が外側に丸みのある凸形状になっているため、振動板自体に高い強度が必要となる。あわせて、発生する音に追従するために、振動板に軽くて剛性の高いフラーレン/マイカ・ナノコンポジットを素材として採用している。しかし、その軽さのため、振動板の振動による(高音のシーンという)音の乱れが発生してしまうという改良ポイントが残っていた。

 今回はその改良ポイントを解決すべく、ビフレステック社が振動板のコーティング材を検討した結果、日産などの「スクラッチシールド」技術の材料が、同振動板の自己振動を抑制するコーティング材として適していることが判明し、採用に至った。

 このタマゴ型スピーカーに採用された「スクラッチシールド」に使用されている材料の「SLIDE-RING MATERIAL」(スライドリング マテリアル)は、既存の高分子材料とは異なり非常に柔軟であり、結合部分が固定されず自由に動くことができる。それにより、特徴的な構造で、優れた伸縮性や制振性を示すことがでたという。

 さらにこの塗料は、今までの塗料と比べて非常に薄く塗ることできるため、軽量を保ったまま、振動板自身の制振性を向上することが出来ることに加え、振動板の自己振動による音の乱れが抑えられ、高音質のスピーカーが実現できた。

 日産は、世界初の塗装技術である「スクラッチシールド」を、2005年12月より車のボディ用塗装として採用している。この塗装は、細かな擦り傷であれば時間の経過により元通りに復元でき、また、従来の塗装に比べて傷がつきにくくなったことで、綺麗な塗装面を長く保つことができるという特徴がある。

 今回、スピーカーに採用される「スクラッチシールド」の材料は、本技術を応用したもので、2006年から日産とASMで共同開発した技術。

 日産は2004年から自社が持つ知的財産を異業種にライセンスする活動を行なっており、自社で研究開発した多くの技術やノウハウなどを自社だけの利用に留まらず、多くの分野での利用を促進することで社会に貢献することを目指している。また、これらの無形資産の有効活用によって得られる収入を技術開発に投資することで、自社の技術開発力を高めている。本塗装もこの活動の一環で商品化された技術であり、自動車用に研究・開発された技術を幅広い分野に利用していく考え。