2016日本ダイカスト会議・展示会を開催、ブラストなどの表面改質技術が出展

 日本ダイカスト協会主催の「2016日本ダイカスト会議・展示会」が11月24日~26日の三日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で開催、展示会では132企業・団体が出展した。

 ダイカストとは、溶融金属を精密な金型に圧入することにより、高精度で鋳肌の優れた鋳物をハイサイクルで大量に生産する鋳造方式の一種。金型などに多く適用されており、それに伴い様々な表面改質が採用される分野の一つ。今回の展示会でもブラスト、コーティング、熱処理などの受託加工を行う企業や装置メーカーが出展した。

新東工業が展示したセル生産方式の実施例新東工業が展示したセル生産方式の実施例

 新東工業は、環境にやさしい進化したダイカスト工場づくりに貢献するとして、ダイカスト製造工程を鋳造、ブラスティング、トリミング、封孔処理、エッジバリ取り、脱臭・集塵、排水処理に分け、それぞれのソリューション提案を行った。鋳造では、ショットピーニングを施すことで金型表面に圧縮残留応力を付与し耐ヒートチェック性を改善することが可能な「D-CHECK」、冷却孔止まり穴部へのショットピーニングにより冷却孔の応力腐食割れを抑制する「D-SCC」などの加工法を紹介。ブラスティングでは、ショットブラストを行うことで、バリ取りによる品質・美観向上や塗装不良低減の効果がある亜鉛系投射材とブラスト装置の紹介を行った。また、仕上げ工程におけるセル生産方式の提案として10秒でX線応力測定ができる「PSMX-Ⅱ」を組み込んだブラスト加工のデモを行った。

オリエンタルエンジニアリングが展示した被膜サンプルオリエンタルエンジニアリングが展示した被膜サンプル

 オリエンタルエンジニアリングでは、プラズマCVD法によるTiAlSiBCNO系の被膜「スーパーボロンコーティング」を紹介。4000HV以上の硬さで優れたトライボロジー特性、耐酸化性、耐溶損性、離型性、耐ヒートチェック性を有しており、アルミダイカスト金型・押出金型のような熱間加工用金型から、高張力鋼板加工用の冷間加工用金型まで幅広く適用できるという。また、マグネダイカスト金型の離型剤フリーを実現したコーティングとしてプラズマCVD法によるTiAlSiCNO系被膜をPRした。

小山鋼材のブース小山鋼材のブース

 熱処理では、小山鋼材がダイカスト金型の耐ヒートチェック性と耐溶損性を高めるとともに靭性を向上する焼入れ処理「KS3・KS-R処理」を紹介した。大型ダイカスト型対応として、粒界析出とマルテンサイト変態のどちらにも影響しない準安定オーステナイト領域を利用し、加工対象物の内外および形状による表面部位の温度差を極力抑え、多段階冷却による特殊冷却方法を採用している。同社の従来処理で課題だった表面脱炭がなく、雰囲気対流加熱のため均一に速く昇温が可能だという。