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第9回ものづくりワールド名古屋

 

IHIハウザー、クロムめっき代替のプロセスコーティングを開発

 オランダのIHI Hauzer Techno Coating B.V.(ハウザー)は、六価クロムを使用するクロムめっきの代替技術として、プラスチック・クロムコーティングのプロセス技術を開発、スペイン・バルセロナ近郊に新会社IHI Hauzer Techno Coating Iberica S.L.(HTCI)を設立し、6月30日にHTCI内にコンピテンスセンターを開所した。プロセスは、①前処理:CO2洗浄、②下地表面処理:ラッカー(塗料)塗布、③紫外線硬化、④PVDコーティング(硬化させたラッカー層を活性化させた後にクロムをコーティング)、⑤治具洗浄からなる。

クロマティピックのコーティングプロセスクロマティピックのコーティングプロセス 開発した技術は、ハウザーが従来から装置開発等で連携を行っていたスペインの化学メーカーであるSIDASA Engineering S.L.から2016年1月にプラスチック・コーティング技術「Cromatipic(クロマティピック)」を買収し、プロセス技術を開発・実用化したもの。クロムめっきが多層構造であるのに対して、同技術はラッカー層とPVD層のシンプルな2層構造としている。コーティングプロセスに発がん性等の健康への影響が指摘される有毒の六価クロムを含む溶媒を使用しない。また、プラスチック部品の生産ラインにインラインで装置を組込むことができるため生産性が高いことも特徴。クリーンルーム内で処理することで不純物の混入を防ぎ高品質なコーティングを可能としている。

PVD装置PVD装置  開所したコンピテンスセンターには自動化されたクロマティピックの加工ラインを設置。今後、自動車向けの大量処理のデモを行い、処理工程を顧客が実際に見られるようにする。また、サンプル品の処理を行うことで、設備購入前に顧客の要望に沿ったコーティングが可能であることが確認できる。今後、同センターでは、クロマティピックの受託加工も行っていくという。

 なお、生産設備の製造はハウザーのオランダ工場で行う。日本国内の問い合わせは、IHI Hauzer Techno Coating B.V.日本支店で受け付けている。