日本アビオニクス、金属の表面温度を非接触で正確に計測できる技術

 日本アビオニクス( http://www.avio.co.jp/ )は、赤外線の反射の影響を除去し、低放射率の物体の温度分布を正確に計測する技術を開発した。これにより、従来の赤外線サーモグラフィカメラでは困難とされてきた金属の表面温度を非接触で正確に計測することが可能になるという。

日本アビオニクス「プロトモデルの外観写真(左)と開発技術による溶融アルミ観察画像(右)」プロトモデルの外観写真(左)と開発技術による溶融アルミ観察画像(右)

 物体から放射される赤外線強度は、プランクの法則として知られる式で定量的に表現され、波長依存性があることが分かっている。今回開発した技術では、常温である周囲環境からはほとんど赤外線が放射されず、測定対象からのみ放射される赤外線波長帯を利用することにより、外乱の影響を受けることなく温度を計測することができる。この結果、これまで熱電対などの温度計により接触、かつ点でしか行えなかった金属等の温度計測を非接触で温度分布として捉えることが可能となる。例えば、アルミニウムの場合、200℃以上の温度を±4%の精度で計測することができる。

 しかし、この波長帯では測定対象から放射される赤外線強度は小さく、S/Nが低いため、単に赤外線強度を計測すれば温度計測が可能になるわけではない。同社がサーモグラフィカメラ開発で培ってきた温度計測に関わるノウハウを活用し、低S/N下においても対象物が放射している赤外線強度を精度よく判別する技術を開発したことで、低放射率物体の温度計測を実現したという。

 この技術の開発により、金型の温度分布を高精度に測定し、複雑な形状の樹脂加工などを実現することが可能になる。これにより、例えば、自動車ボディの樹脂化による軽量化を促進し、燃費向上に貢献することができるという。また、金属複合材料の高精度な温度分布計測が可能となることによって、ロボットの小型化・軽量化を実現するとともに、2次電池用の材料研究加速によって電池の高寿命化に寄与することができる。