佐々木化学薬品、TiAlN膜の除膜速度を向上する除膜剤

 佐々木化学薬品( http://www.sasaki-c.co.jp/ )は、ハイス鋼・ダイス鋼上の2液性Ti系硬質被膜除膜剤「エスツールTHD-08」を開発した。
佐々木化学薬品「除膜剤の処理前と処理後」除膜剤の処理前と処理後

 TiAlN膜は、TiN膜に比べて耐摩耗性や耐熱性の向上に効果的であることから切削工具・精密金型・治工具等に幅広く採用されている。また、硬質被膜の成膜工程で不良を生じた規格外品や欠陥品、使用過程で硬質被膜が摩耗して寿命に達した寿命劣化品は廃棄せず再コーティングすることでリユースすることができる。切削工具・精密金型・治工具等の再生利用を行うためには、薬液で元のコーティング膜を除膜する必要がある。その際、除膜に長い時間を費やすことや、除膜剤の寿命が保たず新液更新の頻度が早いなど、作業時間や薬液コストが課題となっていたという。

 そこで、同社では除膜速度を飛躍的に向上しながらも、ハイス鋼(SKH等)、ダイス鋼(SKD等)を腐食せず、液寿命を改善したTiAlN膜除膜剤「エスツールTHD-08」を開発した。同品は、TiAlN膜以外にも難溶性とされる炭化チタン(TiC)や窒化炭化チタン(TiCN)に対しても除膜を可能とし、Ti系硬質被膜の除膜において特性向上を実現した。

 具体的には、除膜剤の温度を40℃程度に加温すると、約0.5μm/hrのTiAlN膜の除膜速度が得られるという。また、独自技術による新処方により、ハイス鋼(SKH等)、ダイス鋼(SKD等)をより腐食しにくい改良を行った。さらに、液の安定性が良好で長く液寿命を継続するため、除膜剤の更新コストおよび廃棄量の低減が可能となり、切削工具・精密金型・治工具等の再生コスト低減につながる。