JASIS 2017開催、表面試験・評価機器の技術・製品を展示

 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月6日~8日、千葉市美浜区の幕張メッセ 国際展示場で、分析機器・科学機器の総合展示会「JASIS2017」を開催した。「未来発見。Discover the Future.」をテーマにアジア最大級規模の506社・団体、1478小間が出展、24634名が来場した。ここでは、表面試験・評価に関連する主な製品・技術展示について紹介する。
JASIS2017会場JASIS2017会場

 アルファサイエンスは、ナノ領域における機械的特性のエデュケーション・システム「NanoGuru」を紹介した。マイクロ~ナノ領域の機械的特性を定量評価できるインデンテーションシステムであり、ナノ領域における構造・特性・加工・性能といった工学的概念を学生に教育するためのシステムで、データ分析、実験のデザイン、クリティカル・シンキングの力を養うのに役立つ。プロパティ・マッピングやナノ領域でのクリープや応力緩和、粘弾性といった諸特性の時間依存性の定量計測、表面形状測定などが可能と紹介した。
アルファサイエンス「NanoGuru」アルファサイエンス「NanoGuru」

 アントンパール・ジャパンでは、迅速な品質管理や識別、定性的・半定量的測定のために開発されたラマン分光計シリーズ「Cora」を展示した。同品は、プラスチック容器や瓶、バイアルなどの外から非接触で測定したり、皿の上や生体内の微生物などを測定できる。純粋なサンプルだけでなく溶解している物質や混合物、エマルション、懸濁液、粉末などの特性も評価できるほか、液体、ゲル、半固体、固体を測定できることから、医薬品・化学薬品からライフサイエンス、物質分析、研究など多岐にわたる業界で使用されているという。
アントンパール・ジャパン「Coraシリーズ」アントンパール・ジャパン「Coraシリーズ」

 エリオニクスは、試料の微小領域や極表層の機械的特性を測る超微小押し込み硬さ試験機「ENTシリーズ」を集約した新機種「ENT-NEXUS」を紹介した。同品は、ISO 14577-1/JIS Z 2255に準拠したナノインデンテーション試験に対応。DLC膜や金属材料などの硬質材料は5μN~2Nの高荷重ユニット、樹脂やフィルムなどの軟質材料は0.5μN~10mNの低荷重ユニットを選んで測定することができる。また、オプションで表面解析ソフトとピエゾステージを追加することで、物体間に働く表面力を測定することが可能になる。ブースでは、他製品とのセット販売などで販売提携を行うレスカの超薄膜スクラッチ試験機「CSR5000」も展示。親和性の高い両試験機について、両社からセット購入できる態勢を整えて拡販を図っているという。
左:エリオニクス「ENT-NEXUS」、右:レスカ「CSR5000」左:エリオニクス「ENT-NEXUS」、右:レスカ「CSR5000」

 オックスフォード・インストゥルメンツ アサイラム リサーチ事業部は、メカニカルパスを小さくしてノイズを低減したほか温度制御によりドリフトを低減することで高速・高分解能イメージングが可能な原子間力顕微鏡「Cypherシリーズ」を展示した。高速フォースマッピングにより生細胞の形状像とヤング率像を同時に取得できることや、電気化学オプションではCu(111)腐食過程のAFMその場観察が可能なことなどを紹介した。また、最新の超高速AFM「CypherVRS」では、13フレーム/秒という高速画像取得を実現。酵素たんぱく質によりDNAを切断するといった生化学反応をリアルタイムに追跡できることなどをアピールした。
オックスフォード・インストゥルメンツ アサイラム リサーチ事業部「Cypherシリーズ」オックスフォード・インストゥルメンツ アサイラム リサーチ事業部「Cypherシリーズ」

 オリンパスは、薄膜・多層膜の非破壊・高速・高精度膜厚測定が再現性良く行えるハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA Coating」を展示した。母材が金属、樹脂、ガラス、木材でも測定できることや、トリガーを引いて試料にX線を入射するだけで数秒後には膜厚結果を算出、遅くとも30秒以内には完全な分析結果が表示されることなどを紹介した。また、低電子ノイズの設計によって、従来よりも高精度の測定が可能で、高いX線カウントレートと高分解能を実現すること、標準試料がなくても測定できることなどを謳った。
オリンパス「VANTA Coating」オリンパス「VANTA Coating」

 大塚電子は、顕微分光を用いた微小領域での絶対反射率測定により、形状のある実サンプルのDLC膜の厚みを測定時間1秒/ポイントの高速で高精度に測定できる顕微分光膜厚計「OPTM series」を紹介した。DLC膜の膜厚だけでなく、光学定数(屈折率、消衰係数)といった膜質由来の構造解析を詳細に行えるため、成膜方法と膜質の因果関係の追究が可能になる。膜厚測定に必要な機能をヘッド部に集約したため、生産装置に組み込むことでインライン計測用途にも対応する。
大塚電子「OPTM series」大塚電子「OPTM series」

 カールツァイスマイクロスコピーは、表面解析を素早く、精密に、再現性良く実行するワイドフィールド共焦点顕微鏡「ZEISS Smartproof 5」を展示した。QA/QC部門、製造現場、R&Dラボで日々発生する、粗さやトポグラフィー解析などの幅広い表面性状の評価に対応。50fpsの高速面スキャンによってレーザ顕微鏡の撮影時間を凌駕する高速撮影を実現、XY分解能130nm、Z最小ステップ1nmと、非接触ながら高い測定精度を実現した。ISO4287準拠の2D(プロファイル)とISO25178準拠の3D(範囲)での粗さ解析が簡単にでき、定型フォームによるレポート作成の自動化に対応している。
カールツァイスマイクロスコピー「ZEISS Smartproof 5」カールツァイスマイクロスコピー「ZEISS Smartproof 5」

 キーサイト・テクノロジーは、AFMの高い空間分解能に、同社の高性能ネットワーク・アナライザの構成済みの複合的な電気測定機能を組み合わせた独自の手法「走査型マイクロ波顕微鏡(SMM)モード」というソリューションを提案した。表面形状の凹凸像の測定だけでなく、複合インピーダンス(抵抗/リアクタンス)、校正済みキャパシタンス、校正済みドーパント密度、キャリア濃度分布の観察などが可能になり、SRAM、LED、太陽電池などの半導体プロセスの出来栄え検査が容易になることなどを紹介した。
キーサイトテクノロジーズ「AFM+高性能ネットワーク・アナライザ:走査型マイクロ波顕微鏡(SMM)モード」キーサイトテクノロジーズ「AFM+高性能ネットワーク・アナライザ:走査型マイクロ波顕微鏡(SMM)モード」

 協和界面科学は、不要な力を検出せず、正確な摩擦の波形取得を実現した自動摩擦摩耗解析装置「TSf-503」を展示した。同装置の標準繰返測定は最大12回まで繰返し往復運動をして静・動摩擦係数測定を行う。また同装置は、往復測定か往路のみの測定かを選択でき、往路測定の場合は天秤を自動でピックアップし原点位置まで復帰する。連続静摩擦測定では、設定した移動速度、距離、回数で連続測定を実施する。試料変更測定においては、ステージのハンドル操作で試料もしくは測定位置を変更して静・動摩擦係数測定を行う。ブースでは、同装置のほかに参考出品として測定荷重1gf~20gfの低荷重タイプについても提案を行った。
協和界面科学「TSf-503」協和界面科学「TSf-503」

 新東科学は、昨年から販売を開始した摩擦摩耗試験機「トライボギア TYPE40」を展示した。同品は、摩擦力を測定する荷重変換器を測定子直上に配置し、不要な機構をなくした直交バランスアーム方式を採用。これにより高いレスポンスとセッティングの誤差を排除した。また、試料テーブルの摺動方向をアームに対して直交させ、往路復路の荷重変動をなくし耐摩耗性評価の信頼性を大幅に向上させた。さらに、Y方向ステージを標準装備して13mmストロークするように設計されており、サンプルを付け替えることなく別の部分で測定ができるようにしたことで利便性を向上している。
新東科学「トライボギア TYPE40」新東科学「トライボギア TYPE40」

 日本精工は、マイクロ~ナノオーダーの微小な対象物を操作できる「マニピュレーションシステム」を展示した。軸受など機械要素製品やメカトロ製品の開発を通じて培った精密位置決め駆動技術に、画像処理などの技術を組み合わせた統合的なメカトロ技術が適用された製品で、すでにバイオ用途では国内外で納入実績があるが、今回は適用が始まりつつある産業機械用途について提案。モニターで異物を観察しながら、ジョイスティックによる簡単操作で部材表面の微細な異物を取り除く用途だけでも、需要が少なくないという。
日本精工「マニピュレーションシステム」日本精工「マニピュレーションシステム」

 日本電子は、40.5pmの世界最高分解能を達成した加速電圧300kVの走査型透過電子顕微鏡装置(TEM)を展示した。東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の幾原雄一教授、柴田直哉准教授、石川亮助教らと日本電子の研究グループが加速電圧300kVの同TEMを用いて行った研究成果で、GaN(窒化ガリウム)単結晶の[212]方位からの投影像ではGa-Ga原子間距離が40.5pm (水素の原子半径の80%)となり、この距離を実像として分解したのは世界初(世界記録)であることをアピールした。
日本電子「世界最高分解能40.5pmを達成したTEM」日本電子「世界最高分解能40.5pmを達成したTEM」

 ブルカーナノ表面計測事業部は、本年7月から取扱いを開始した「ハイジトロン トライボインデンターTI980」を展示した。特許技術である静電駆動トランヂューサーによる低荷重インデント、押込み圧子を使った走査プローブ顕微鏡モードを用いた微小領域における正確な測定箇所の決定、ナノレベルでの粘弾性測定などから、最先端の有機材料、複合材料、生体材料などの機械的特性評価に対応できることをアピールした。SEMやTEMに組み込んでインデンテーション試験が行える「ピコデンターシリーズ」や、SPM組込み型インデンター「トライボスコープ」なども紹介した。
ブルカーナノ表面計測事業部「ハイジトロン トライボインデンターTI980」ブルカーナノ表面計測事業部「ハイジトロン トライボインデンターTI980」