神戸製鋼所、少量多品種生産に適したPVD成膜装置を工具メーカーに納入

 神戸製鋼所( http://www.kobelco.co.jp/ )は、PVD(Physical Vapor Deposition=物理蒸着)コーティングの一種であるアークイオンプレーティング(Arc Ion Plating)方式の装置で、少量多品種生産に適したコンパクトなコーティング装置として「AIPocket®」を今年3月に上市、このほど、大手工具メーカー向けに初号機を納入した。今後は国内・海外の顧客向けに年間20台の受注を目指す。
神戸製鋼所「AIPocket」: AIPocket神戸製鋼所「AIPocket」: AIPocket

 「AIP®-S」はワンスペックの汎用モデル化により、低価格を実現するとともに在庫販売対応により短納期納入が可能。一方で、同社の最新アーク蒸発源である「スーパーファインカソード(SFC)」や最新エッチング機構を標準搭載し、高性能な最新コーティングが可能になる。海外新市場の開拓を目的として、製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件満たすことを証明であるCEマーキングにも対応している。

 同装置は、ターゲットの交換作業に配慮した設計により短時間で膜種の変更が可能であり、真空排気システムの最適化を行ったことで、代表サイクルタイムとして1バッチ3時間(同社標準条件)と少量多品種生産において高い生産性を実現した。同社システムに接続することで遠隔でトラブルシューティングのサポートが可能になるという。また、すべての構成機器をワンフレーム内に納めたオールインワンパッケージにより、約2畳分という省スペース化を実現し、納入後2~3日程度の短期間での生産立ち上げが可能となっている。

 同社は、1986年にPVD法の一種であるアークイオンプレーティング方式の装置をAIP®という商標で販売開始して以降、スパッタリング装置やガスを主原料に使ったCVDの一種であるPECVDコーティング装置を開発した。同社のコーティング装置は、工具・金型・自動車部品・樹脂フィルム加工業界などに採用されており、累計600台以上の納入実績を持つ。適用アイテムに応じてバッチ式、インライン式、ロールコータ式と多様な装置を販売している。