産総研など、大面積グラフェンのさまざまな欠陥構造を高速・高精度に可視化する技術

 産業技術総合研究所 中島秀朗 産総研特別研究員、森本崇宏 主任研究員、岡崎俊也 研究チーム長(兼)同研究センター 副研究センター長らは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの成果をもとに、産総研 山田貴壽 主任研究員、沖川侑揮 主任研究員、九州大学 吾郷浩樹 教授らと共同で、微弱信号を高効率に検出できるロックイン赤外線発熱解析法を用いて大面積グラフェン膜のさまざまな微細な欠陥構造を高速・高精度で可視化できるイメージング評価技術を開発した。

 多様な分野での活用が期待されるグラフェンは、近年化学気相蒸着(CVD)法による大面積化が進められている。しかしながら、一般にCVD法で合成されたグラフェンにはさまざまな欠陥構造が存在するため、電気特性が大きく低下してしまうという課題があった。今回開発した技術により、電圧をかけた時に発生するジュール熱を高効率に検出して、グラフェンの電気特性を低下させる要素を、炭素-炭素結合の切断といった原子レベルの構造の乱れで構成される結晶粒界(ドメインバウンダリー:DB)のような微細な欠陥まで、数分程度で識別できるようになった。大面積のグラフェンに存在するごく小さな欠陥を迅速に可視化する評価ツールとして今後の研究開発への貢献が期待される。
ロックイン赤外線発熱解析法を用いたグラフェン欠陥構造イメージングの概念図: ロックイン赤外線発熱解析法を用いたグラフェン欠陥構造イメージングの概念図ロックイン赤外線発熱解析法を用いたグラフェン欠陥構造イメージングの概念図: ロックイン赤外線発熱解析法を用いたグラフェン欠陥構造イメージングの概念図