不二WPC、食品関連分野の課題解決・環境負荷低減で新会社「サーフテクノロジー」を設立

 不二WPC( https://www.fujiwpc.co.jp/ )では1997年4月の設立以来、一般産業部門、モータースポーツ部門、食品関連部門の三部門体制で、表面改質による様々な機能性向上を迅速・安価に提供してきたが、本年6月より食品関連部門を分離して新会社「株式会社サーフテクノロジー」を設立する。

 不二WPCでは食品関連部門については、小麦粉やコーンスターチなど食品粉体のホッパーなどへの付着やフルイなどでの目詰まりといった顧客の様々な問題を表面改質によって解決してきたが、食品関連事業についてより深い知見を蓄積すると同時に、問題解決における食品関連特有の表面改質処理力の一層の向上を目指すべく、新会社設立を決めたもの。

 多様な表面形状の形成によって食品粉体や粘性食品、食用液体などの付着防止や滑り性向上を実現する表面改質技術「マイクロディンプル処理®」をキーテクノロジーとして、その技術を常に進化・発展させることによって、安心・安全に食品ロスや生産性の悪化(エネルギーロス)といった問題を解決することで、さらなる環境負荷低減につなげ、社会の発展に貢献していく狙いだ。

kat19053101特許技術マイクロディンプル処理®のロゴ

 小麦粉、コーンスターチをはじめカレー粉、調味料など様々な食品用粉体は、ホッパー、シューターやコンベヤーさらに分粒用のフルイ、分包用計量器、充填機を経由して製品化される。それら搬送機器類では、ブリッジなどの排出不良(ホッパー)、目詰まり(フルイ)などのトラブルが発生し、生産効率低下や不良品増加の原因となっている。その主な要因は、搬送機器類の表面と粉体との付着や摺動特性の不良によるものである。

 それら搬送機器類ではPTFE系樹脂のコーティング、いわゆるテフロン®加工が施されているものも多いが、PTFE加工は摩耗やはく離が起きやすく摩耗粉やはく離片が発生するほか、近年はPTFEそのものの毒性に関するいくつかの報告がなされ、PTFE加工品の食品用部材への使用に関する懸念が高まっている。また、食品製造産業では、食の安全を確保するために異物混入に対する対策が喫緊の課題となっており、食品搬送用機器の脱PTFE(脱コーティング)化が急速に進められている。

 こうした問題に対し新会社サーフテクノロジーでは、コーティングではないため食品製造分野で安心して使用できる特許技術である「マイクロディンプル処理®(MÐ処理®)」を引き続き提案していく。

 マイクロディンプル処理®ではメディアをホッパーやフルイなどの金属系基材に投射することによって凹凸(テクスチャリング)を形成し、接触面積を減らし滑り性を向上させることで、粉の通過性が1.2~2倍に向上、粉落ちが良くなるため、網の目詰まりによるメンテナンスや交換の手間を軽減できる。また、付着が少なくなり廃棄量を減少でき歩留まり向上につながるほか、付着した粉もエアーで簡単に吹き飛ばせるため洗浄時間を短縮、さらには濾すための人件費(人手不足対策)や洗浄時間短縮による光熱費の削減につながる。タッピングボールを使わなくても付着が抑制できる場合は、タッピングボールの破片といった異物混入の対策にもなる。

 下図に未処理のフルイとマイクロディンプル処理®によるテクスチャリングを形成したフルイへの、小麦粉の付着状況(と拡大写真)を示すが、未処理のフルイでは付着が多く、部分的に目詰まりが起きているのが観察される。一方、マイクロディンプル処理®を施したフルイでは付着量が大幅に低減されており、テクスチャリングによる粉体の付着低減の効果が確認される。

 日本国内における食品粉末の消費量は、小麦粉が600万t、コーンスターチ等の澱粉が300万tなど、総量で1000万tを超える。そのうち、0.1%が付着して洗浄等により除去された場合、1万tの不良粉末が生成される。それらは捕集、分別され再利用されるか廃棄物とされる。そのためのエネルギーや環境負荷は膨大なものであり、エネルギー対策や環境対策の上でも、食品業界において、マイクロディンプル処理®による食品用粉体の付着防止と滑り性向上が注目されてきている。

kat19053102フルイの未処理面(a)ならびにマイクロディンプル処理®面(b)の小麦粉の付着・目詰まりの様子

 マイクロディンプル処理®とその特徴を活かした食品分野での適用事例については、本年7月9日〜7月12日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN 2019(国際食品工業展)」の不二WPC/サーフテクノロジー ブースで披露される予定。

kat19053103FOOMA JAPAN 2018での出展のようす