自動車技術会、人とくるまのテクノロジー展2019 名古屋を開催

 自動車技術会は7月17日~19日、名古屋市のポートメッセなごやで自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019名古屋」を開催した。内燃機関搭載車の一層の燃費改善に加え、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの電動化、先進運転支援システム(ADAS)などに対応する最新の製品・技術が披露された。

kat19072401会場のようす

 表面改質および計測評価関連技術では、以下のような出展があった。

 三弘( http://www.sanko-web.co.jp/ )は、大塚電子製の高速ニアフィールド配光測定システム RayHunter「RH300」を紹介した。光源単体や光学材料の配光を評価する装置で測定時間10分を実現。1.5m角に収まるコンパクトな装置サイズとなっており、1回の測定であらゆる空間照度を捉える。測定対象物(サンプル)から出る光を多角度から撮影する高速ニアフィールド配光測定システムでは、任意の視点情報(サンプルを見る角度とサンプルまでの距離)を与え、撮影した画像データを処理することでサンプルの見え方を得ることが可能。本測定器によって、実際の環境を準備する必要なしに、表示している情報の「見え方(視認性)」を評価することが可能になっている。ADAS(高度運転支援システム)、自動誘導車両(AGV)、測距などの用途で対象物にレーザ光を照射し、その反射光を光センサでとらえて距離を測定するリモートセンシング方式「LiDAR(Light Detection and Ranging)」が重要視されているが、展示会ではLiDARを手軽に測れる測定システムとして「RH300」が紹介された。

kat19072400三弘「大塚電子製RH300」

 三洋貿易( https://www.sanyo-si.com/ )は、Rtec-instruments社製のモジュール交換型 多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を展示、でも試験を実施した。各種摩擦試験の評価、その他様々な機械試験のアプリケーションに対応可能な装置で、研究開発だけでなく、様々な産業に対応。フロアスタンド型を採用しており、高荷重(5000N)、高回転領域(8000rpm)まで対応可能。各種ASTM試験法にも準拠している。インラインで白色干渉計も搭載可能で、試験中、試験後の表面状態を試験直後にそのまま測定できる。データ収集速度は100KHz以上が可能。また、国内販売を予定しているRtec-instruments社製の高速振動摩擦試験機(Fretting Fatigue Tester)「FFT-1」も紹介。最大500Hzの高速往復振動でもボイスコイルストロークをリアルタイムに監視して制御が行える。さらに、エンジンの状態監視に必要なオイル分析をトータルに網羅したシステム「MiniLab ELシリーズ」を紹介した。元素分析、劣化性状分析(赤外分光)、動粘度、燃料希釈率、鉄粉濃度の五つのテストを、現場で、簡単に、5分以内で測定し、迅速にデータを提供できる。

kat19072402三洋貿易「MFT-5000」

 新明和工業( http://www.shinmaywa.co.jp/pbp/index.html )は、本年4月からスタートしたダイヤモンドコーティング装置の販売と受託成膜サービスをアピールした。ダイヤモンドコーティング装置には熱フィラメントCVD方式を採用、耐摩耗性と密着性の高いダイヤモンドコーティングを実現した。ダイヤモンドコーティングは難削材である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、グラファイト、アルミニウム合金、超硬合金向けの切削工具、特殊なメカニカルシールや超硬金型に適用されているが、国内ではダイヤモンドコーティング装置を製造・販売するメーカーが少なく、国内の工具メーカーをはじめダイヤモンドコーティングのユーザーの大半が欧米のメーカーに頼っている。同社では国内メーカーによる装置の提供と迅速なサポートをメリットに拡販を図っていく。また、同社の航空機事業では大手航空機メーカー向けにCFRP製品を供給しておりダイヤモンドコーティング工具を大量に消費していることから、高コストのダイヤモンドコーティング工具の寿命向上による社内でのコストダウンの貢献も視野に入れている。さらに、2015年から販売しているイオンエッチング装置が超硬素材上のほぼすべてのコーティングを除去できることから、今回開発したダイヤモンドコーティング装置がラインアップに加わることで、成膜から除膜まで超硬工具の再生に必要な表面処理技術について、一貫した提供が可能となった。

kat19072403新明和工業「ダイヤモンドコーティングの成膜アプリケーション」

 東研サーモテック( https://tohkenthermo.co.jp/ )は、創業以来金属熱処理加工で培ってきた部品加工のノウハウを活用することで、コーティング被覆だけではコスト高になる強度や機能加工を素材の見直しや熱処理加工との併用によってコストを抑えつつユーザーの要望を満たす提案を行っている。コーティング工程は非常に高い精度が求められるが、金属熱処理で長年エンジン部品など精度要求の高い製品を多く取り扱ってきた経験から、薄膜コーティングでも高品質を実現。電子部品レベルのクリーンルーム内での作業や走査電子顕微鏡(SEM)での品質チェックなど、徹底した品質管理体制のもとで生産。各社が社内で被膜開発や成膜加工を行うことが主流だった時代から生産体制を整え、受託業務を開始。採算ラインにのせることが難しいとされていたコーティング工程を自社の設備部門による冶具開発や設備開発、自動化技術の採用などと試行錯誤を重ねながら大量生産を実現、現在DLCコーティング生産量では国内シェアトップを維持している。常に独自性を出せる成膜設備や、非接触・非破壊のDLC用顕微分光膜厚計といった品質管理機器を調査・導入して、より高性能な新被膜の開発・生産に取り組んでいることをアピールした。国内12工場、海外4工場のフレキシブル・ネットワークによって、自動車部品への熱処理や、工具・金型だけでなく量産部品へのドライコーティング技術など、あらゆる熱処理、コーティングを国内外で対応できるメリットを強調した。

kat19072404東研サーモテック ブースのようす

 パルメソ( https://palmeso.co.jp/ )は、粒子投射法を採用し遊離砥粒研磨をナノメートル精度で行う分析前処理用研磨装置「PERET(ピーレット)」の実機を展示。同装置は、研磨痕2mmの端から中央部に向かって0~1°の角度で加工を行う「斜め研磨」が特徴。真横から切断する方法に比べ、斜め研磨は断面積が広く、観察しやすくなるという。1回の研磨面から広い範囲を対象にSEMやX線光電子分光装置(XPS)による深さ方向の観察・分析が可能になる。これまで、こうした高精度加工は優れた技能を持った技術者が必要だったが、同装置は加工対象物を装置に設置し、微粒子の投射時間などを設定するだけで自動研磨するため誰でも簡単に加工が行える。超薄膜や多層フィルム、微小部品などの観察・分析の前処理装置として、今秋から販売を行っていくという。

kat19072405パルメソ「PERET(ピーレット)」