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第9回ものづくりワールド名古屋

 

不二WPC、DLC処理のピストンで「かながわスタンダード」に認定

DLCで被膜されたアルミピストンDLCで被膜されたアルミピストン 不二WPC( http://www.fujiwpc.co.jp/ )は、世界に発信する神奈川の先端技術としてふさわしい優れた事業計画を支援する2011年度「かながわスタンダード」の認定事業計画として認定された。これは、神奈川県が県内の中小企業が開発した技術や製品の事業化・商品化を促進することを目的に、その事業計画を技術と経営の両面から評価、重点的に各種の支援を行う事業。今回認定されたのは、不二WPCの「ダイヤモンドライクカーボン・コーティング技術による高機能ピストン」。

 「かながわスタンダード」は県内の中小企業が開発した工業技術の内、事業化、商品化に着手しているもの(製品化、特許を取得したものなど)で、事業化により今後3年以内に年間5億円以上の売上が見込めるものが対象となる。支援期間は最長で5年で、認定されると、(1)神奈川県産業技術センターでの依頼試験費・機器使用料の7割が減額される、(2)神奈川産業振興センターの経営支援を受けられるよう推薦される、(3)各種の金融支援の利用資格が取得できる、といった特典が得られる。

 かながわスタンダードに認定された不二WPCの事業計画「ダイヤモンドライクカーボン・コーティング技術による高機能ピストン」は、従来はアルミ合金との密着性が悪くアルミ合金に適用できなかったダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングに関して、各種微粒子を高速投射する独自のWPC(Wide Peening and CleaningまたはWonder Process Craft)処理でアルミ合金表面を改質することでアルミ合金への密着性の高い成膜を実現、アルミ合金製のピストンに適用することでエンジンの軽量化と低フリクション化、ひいては車の低燃費化につながるもの。このWPCとDLCの複合技術は、アルミピストンなど自動車部品だけでなく、CFRPなど難削材向け加工工具、インプラント機器など幅広い事業化が見込めることから、かながわスタンダードに認定された。