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第9回ものづくりワールド名古屋

 

オートモーティブワールド2018が開催

オートモーティブワールド2018のもよう
 「第5回自動車部品&加工EXPO」、「第11回国際カーエレクトロニクス技術展」、「第10回EV・HEV駆動システム技術展」、「第9回クルマの軽量化技術展」、「第7回コネクティッド・カーEXPO」、「第2回自動運転EXPO」の6展示会から構成される「オートモーティブワールド2018」が1月16日から18日までの三日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。当日は、自動車のエレクトロニクス化・電動化、IT化、軽量化など自動車業界で重要になっている最先端技術を1130社が出展、39922人が来場した。表面改質関連での主な出展は以下のとおり。

 新東工業は、1台でショットピーニングと加工した製品を品質評価して不良品流出を防止できる装置「ISPX-S」の実機を展示。同装置は、ピーニング工程において工程保証・製品保証を可能にする表面評価技術「Sightia」を組み込んだショットピーニング装置。10秒でX線応力測定が可能な「PSMX-Ⅱ」と、ピーニング処理の未処理品や部分残し等の不完全処理品と正常処理品を1秒で判定する「ECNI-Ⅱ」により、インラインにおける全数チェックを可能にした。同技術をピーニング前とピーニング後に適用することで、ピーニングプロセスの信頼性を大幅に向上する。担当者は、「品質管理の厳しい航空機や自動車、またその部品メーカーなどに提案していく」としており、人による目視検査の工程削減や自動で全数検査が行える点を強みに販売強化を行っていく。
新東工業「ISPX-S」新東工業「ISPX-S」

 不二製作所は、金属の摺動性や残留応力、耐摩耗性を付加する「WPC処理」(微粒子ピーニング処理)を紹介。金属の疲労強度や耐久性が向上することで、自動車の軽量化につながる薄肉・薄板の駆動部品、エンジン部品などへの適用を提案した。また、高張力鋼板(ハイテン)金型の離形性向上により金型寿命を向上させる特殊表面加工「MKS処理」も紹介。同処理によって微細な凹凸を金型表面に形成させることにより、金型コーナー部の割れや筋傷の改善、かじり防止、歪み防止、金型寿命の向上などが期待できるとした。
不二製作所「WPC処理のサンプル」不二製作所「WPC処理のサンプル」

 清水電設工業と浅井産業は、過酷な状況下で使用される金型に対して優れた耐摩耗性で長寿命化を実現するPVDコーティング膜「ZERO-Ⅰコーティング」を提案。被膜の硬度はHV3500で、耐熱性においては1000℃を実現。焼付きの原因となる冷間鍛造での摩擦熱による酸化や温間鍛造にも対応している。さらに、応力緩和の技術により高密着性と4μm以上の厚膜化を両立。これにより、耐摩耗性を向上させるとともに弾性変形の抑制効果を上げることが可能となった。高硬度被膜のため、母材はハイス鋼以上を推奨しており、用途によっては窒化やショットピーニングとの複合処理を推奨している。
清水電設工業「コーティングサンプル」清水電設工業「コーティングサンプル」

 ニデックは、ゲルマニウムやシリコン、カルコゲナイドなどの基板の内側にARコーティング、外側にARコーティングを施し保護層としてDLCコーティングを成膜することで、赤外線透過性能と高い耐傷付き性を付与できる赤外線光学部品用の「高硬度赤外ARコート」を提案。屋外で使用するカメラやセンサの保護窓、レンズの表面にコーティングすることで、砂塵などによる傷防止に役立つと謳った。砂消しゴム摩耗試験やMIL試験の厳しい摩耗試験に耐える傷防止性能を持つほか、広い波長範囲で透過率の改善を実現する。
ニデック「コーティングサンプル」ニデック「コーティングサンプル」

 エア・ウォーターNVは、ガス活性化処理とガス窒化処理を組み合わせることにより、300~600℃の幅広い温度域で窒化を行える「NV窒化」、同処理にクロム拡散浸透処理を加え耐摩耗性と耐酸化性を両立させる「CR-NITE処理」の受託加工を提案した。また、硬質薄膜であるTiNやTiAlN被膜において、ガスを用いることで被膜除去できる技術も紹介。液体を用いた超硬基材の被膜除去で問題となるコバルトの溶出が起きない点や処理品の形状を問わない点などをメリットとして掲げた。
エア・ウォーターNVのブースエア・ウォーターNVのブース