メインコンテンツに移動
第9回ものづくりワールド名古屋

 

日本熱処理技術協会、7月24日~28日に2023年度熱処理大学を開催

 日本熱処理技術協会は7月24日~28日、対面参加(東京工業大学 西9号館コラボレーションルーム 他、東京都目黒区大岡山2-12-1)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2023年度 熱処理大学」を開催する。本講座のカリキュラムは熱処理の基礎理論と熱処理現場が抱える諸問題を結びつけた集中的な講演で構成。受講者からは①新しい材料の知識を得ることができる、②熱処理の基礎を理解するのに最適、③講演の内容は平易で理解することが容易、④皆勤者には修了証書が授与される、など好評を得ている。

 申込締切日は7月14日で、以下URLから申し込みができる。定員は、60名(工場見学は先着30名)。参加費は対面、オンライン共に正会員50000円、維持会員50000円、非会員70000円(いずれも税込)。

https://forms.office.com/r/YvUpZ2vHQ4

 内容は以下のとおり。

7月24日

9:25~9:30「開校挨拶および注意事項」日本熱処理技術協会教育委員

9:30~12:30「鋼の状態図と熱処理理論」竹山雅夫氏(東京工業大学)…「鉄は神様からの贈り物」である。ほんの少し炭素を加えるだけで、また、ほんの少し熱処理を工夫するだけで、その組織は様々に変化し目的に適った特性を導き出すことができる。その基本はFe-C系二元系状態図にある。本講演ではまずその状態図を理解し、さまざまな性質を生み出す熱処理の原理について解説する。

13:30~15:00「構造用鋼の熱処理」山崎和彦氏(JFEスチール)…機械構造用鋼は種々の熱処理により、さまざまな構造部品に調製されてその機能を発揮する。最も基本的な熱処理素材である各種構造用鋼について、それぞれの用途と特徴を紹介するとともに、代表的な熱処理作業について概説する。

15:10~16:40「工具鋼の熱処理」阿部行雄氏(プロテリアル)…工具鋼は特殊鋼の一つに分類され、金型や工具、刃物等に使用される。鋼種によって、また付与したい特性によって熱処理方法も変わってくる。今回は基礎に重点を置きながら、工具鋼の代表的な熱処理について説明する。

7月25日

9:30~11:00「雰囲気熱処理―浸炭・窒化―」武本慎一氏(DOWAサーモテック)…ガス浸炭とガス窒化を中心に雰囲気制御の目的・手段・方法と、それらを理解し実践するために役立つ基礎知識について実際の事例を用いて解説する。

11:10~12:40「真空熱処理」中本一朗氏(IHI機械システム)…熱処理において真空を利用する目的や効果、利点と、真空を作り出し維持していく技術の概略を説明する。代表的な真空熱処理と必要な真空炉を紹介しながら、真空熱処理装置を使いこなしていくために必要な技術・ノウハウを説明する。

13:30~15:00「高周波熱処理」岩永 淳氏(電気興業)…高周波誘導加熱の原理や方法の解説をはじめ実例を交えながら高周波熱処理を紹介するとともに、熱処理仕様に合わせた様々な形状の加熱コイルや周波数の違いによる硬化層深さの影響を説明する。

15:10~16:40「熱処理部品の硬さ測定の実務」藤塚将行氏(機械振興協会)…金属材料の簡便かつ迅速な測定法である硬さ試験は、熱処理に関する評価や品質管理の有力な手法として多用されている。本講演ではJISに記載の硬さ試験法を中心に紹介し、熱処理部品の硬さ測定の実務について解説を行う。

7月26日

9:30~11:00「顕微鏡試験の実務」中村 勲氏(東京都立産業技術研究センター)…鉄鋼材料の熱処理に伴う金属組織の基本的な部分から金属組織観察用試料の準備、金属顕微鏡の取り扱いまでを説明する。午後の組織観察実習のための講演を通して、金属組織観察の必要性、利用方法、意義を解説する。

12:00~16:35「顕微鏡試料の作り方」「顕微鏡の取り扱い実習」中村 勲氏(東京都立産業技術研究センター)、隠善厚生氏(IHI)、井戸原 修氏(高周波熱錬)、松尾 孝氏(東京工業大学名誉教授)、ストルアス、エビデント「熱処理品の硬さ測定実習ほか」フューチュアテック、アントンパール・ジャパン、マツザワ

7月27日

9:30~11:00「熱処理における温度管理」仲摩 崇氏(チノー)…接触式温度計の代表である熱電対と測温抵抗体と非接触式温度計の代表である放射温度計について、測定原理、種類・特徴、基本構成要素、使用上の注意点などを解説する。フィードバック制御の基本形である2位置動作、PID動作について簡単に説明する。

11:10~12:40「鋼材の簡易鑑別法」山本正之氏(山本科学工具研究社)…鋼材の種別を現場で直ちに判別できるか否かは熱処理技術者にとって重要な技能で、簡単なグラインダー火花試験を行うことによって可能となる鋼種の鑑別法について、火花の発生原理から観察方法までの概要をJISG0566「鋼の火花試験方法」に沿って解説する。熱処理部品の硬さ測定の実務について解説を行う。

13:40~16:00「温度測定と制御機器の取り扱い実習」チノー
「鋼材の火花試験実習」山本科学工具研究社

16:00~16:30 修了式

7月28日工場見学

午前:大和合金・三芳工場

午後:パーカー熱処理工業・東松山工場