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日本粉末冶金工業会、2019年度工業会賞を発表

4年 5ヶ月 ago
日本粉末冶金工業会、2019年度工業会賞を発表kat 2019年12日12日(木) in

 日本粉末冶金工業会はこのほど、「2019年度日本粉末冶金工業会賞」を発表した。同賞は、1979年度に粉末冶金工業普及事業の一環として創設、2019年度で41回目となる。

 同賞は、工業会事業に貢献した個人を表彰する「業界功労賞」と優れた粉末冶金製品を表彰する「新製品賞」、優れた原料粉末を表彰する「原料賞」、優れた製造設備を表彰する「設備開発賞」からなる。「新製品賞」は、さらに「デザイン部門」、「材質部門」、「製法開発部門」に分けて審査、2003年度から、選考委員会で特に優れた受賞案件とされたものに「工業会大賞」を授与している。また、賞の対象にならなかった応募の中から、特徴のあるものを「奨励賞」として表彰している。

 今回は工業会大賞、新製品賞・材質部門、原料賞、奨励賞で、以下のとおり受賞企業が選出された。

 なお、本工業会賞の表彰式は2020年1月20日に、同工業会新年賀詞交換会に先立って行われる。

■工業会大賞

・ファインシンター、トヨタ自動車「ディスコネクト部品の焼結化」…段差の大きいラチェット形状や薄肉・長尺形状の成形を原料・金型構造の面から対策を行い、また、うねりを有するボール溝端面においてレーザー焼入れ導入による特性確保など、技術的難度の高い複雑形状製品を実現した点が高く評価された。本製品のような複雑形状は従来では敬遠されがちな形状だったが、数々の対策により量産化を実現されたことにより、焼結品のニアネット成形技術の進歩をうかがい知ることができる。今後、他工法からの置き換えなどによる粉末冶金製品の市場拡大が期待される。

ファインシンター、トヨタ自動車「ディスコネクト部品の焼結化」■新製品賞・材質部門

・ファインシンター「高速鉄道車両用焼結制輪子ライニング」…独自の等面圧機構により、ブレーキ性能向上や耐摩耗性向上など制輪子ライニングの性能の向上を実現し、安全面やコスト面において貢献がなされた点が評価された。特に、ブレーキ性能向上においては、地震発生時などの緊急ブレーキへの対応を可能とし、高速鉄道車両の安全性向上への貢献が認められた。今後、本制輪子ライニングを搭載した高速鉄道車両の市場拡大が期待される。

ファインシンター「高速鉄道車両用焼結制輪子ライニング」

 

・住友電気工業「成形体加工を適用した2枚歯スプロケットの開発」…高難易の断続切削であるスプロケット製品の外歯加工を加工時の応力方向を考慮した加工条件や独自治具の採用などにより実現し、製品のコスト低減に貢献された点が評価された。成形体加工は、製品欠損など品質上の課題が多くあるが、外歯加工の実現により、成形体加工技術の進歩をうかがい知ることができる。今後、コスト競争力向上による粉末冶金製品の市場拡大が期待される。

住友電気工業「成形体加工を適用した2枚歯スプロケットの開発」


・ダイヤメット「可変容量型オイルポンプ用部品の開発」…成形過程でのFEM(有限要素法)解析による金型の工夫などにより、高精度部品を実現した点が評価された。特にベーンロータでは、全長30mmと比較的長尺でありながら、ベーン溝幅精度を加工レスで実現した点が評価された。可変容量型オイルポンプは燃費向上に寄与することから搭載車両が増加することが予想されており、今後の市場拡大が期待される。
 

ダイヤメット「可変容量型オイルポンプ用部品の開発」

 

・住友電気工業「アルミ製からの置き換えを実現した軽量鉄系焼結キャリアの開発」…ねじりトルクの要求を満たしつつ積極的な肉抜き形状による軽量化により、アルミ製部品からの置き換えに成功した点が評価された。また、接合部品の重要管理ポイントである接合強度に対しても超音波探傷法を採用するなど、保証度向上に対する工夫も見られる。焼結化のコストメリットを活かしたアルミ製部品からの置き換えに関する好事例として、今後の横展開が期待される。

住友電気工業「アルミ製からの置き換えを実現した軽量鉄系焼結キャリアの開発」


・住友電気工業「高曲げ疲労強度を有するシンターハードニング4WDカム部品の開発」…シンターハードニングの適用に加え、材料と形状の工夫によって工程省略を実現させた点が評価された。シンターハードニングの懸念材料であった強度面を克服したことは、今後の焼結品におけるコストダウン手法の選択肢を増やす良い改良となる。本工法の横展開により、他工法からの置き換えなどによる粉末冶金製品の市場拡大が期待される。
 

住友電気工業「高曲げ疲労強度を有するシンターハードニング4WDカム部品の開発」

 

・ダイヤメット「電動パーキングブレーキ(EPB)用焼結含有軸受の開発」…ボス付け根R0.2以下やOリング保護形状など、極小形状の付与を金型形状や、工法改善により実現した点、また、今後大きな成長が見込まれる自動車の電動化部品に採用された点が評価された。特に採用されたEPBはブレーキ・バイ・ワイヤー化の足掛かりともなる技術とも言われ、近年普及が進んでいる。本製品がEPBに採用されたことで、さらなる焼結含油軸受の市場拡大が期待される。

ダイヤメット「電動パーキングブレーキ(EPB)用焼結含有軸受の開発」■原料賞

・JFEスチール「広範囲の切削条件に有効な快削性プレミックス鉄粉」…粉末冶金製品において汎用的に使用されている原料に対して、幅広い切削条件にて効果的な快削性を付与した点が評価された。焼結材は一 般的に難削材とのイメージがあるが、本原料は独自の添加物の最適添加により大幅に被削性を改善している。本原料の使用により粉末冶金製品のコスト競争力を高めることで、さらなる市場拡大が期待される

JFEスチール「広範囲の切削条件に有効な快削性プレミックス鉄粉」

 

■奨励賞

・住友電気工業「鋭敏化対策ニオブ添加ステンレス材の開発」…ステンレス焼結材料に国内で初めてニオブを添加し、焼結部材には苦手とされている溶接工程の品質リスクを低減した点が評価された。開発材料は自動車メーカーの材料標準にも認定され、標準材料としての使用が可能となった。焼結材料の溶接に対する許容範囲を広げたことで、他工法からの切り替えによる市場拡大が期待される。

住友電気工業「鋭敏化対策ニオブ添加ステンレス材の開発」

 

・ファインシンター「産業用人協働ロボット用部品のMIM化によるコストダウン」…MIM(金属粉末射出成形法)の特性を活かした製品開発により、自動車分野以外となる産業用ロボットに採用された点が評価された。人協働ロボット構成部品のコストダウンは、ロボット価格の低価格化にも貢献し、世の中の自動化促進へも貢献がなされたものと思われる。本製品の開発により、粉末冶金製品の小型産業用ロボットを含む新市場開拓の足掛かりになることが期待される。
 

ファインシンター「産業用人協働ロボット用部品のMIM化によるコストダウン」

 

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THK、ドコモ、シスコ、CTCの4社、直動案内に関するIoTサービスの正式受注を開始

4年 5ヶ月 ago
THK、ドコモ、シスコ、CTCの4社、直動案内に関するIoTサービスの正式受注を開始 in kat 2019年12日11日(水) in

 THKとNTTドコモ(ドコモ)、シスコシステムズ(シスコ)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の4社は、昨年10月に発表した製造業向けIoTサービス「OMNIedge」(オムニエッジ)の正式受注を本年12月18日から、出荷を来年1月末から開始する。

 第一弾としては直動案内機器(THK製品名「LMガイド」)の予兆検知から対応を開始。機器の稼働状態をモニタリングできるため、エンドユーザーの使用するLMガイドなど直動案内機器(他社製品を含む)搭載の工作機械や食品加工機械、半導体製造装置などの突発停止を防ぐとともに、直動案内機器の在庫適正化に貢献していく。

写真左から、シスコシステムズ・濱田義之 執行役員、THK・寺町崇史 取締役専務執行役員、
NTTドコモ・谷 直樹 執行役員、伊藤忠テクノソリューションズ・寺田育彦常務執行役員

 

 OMNIedge第二弾としては、ボールねじの予兆検知への対応を予定。来年夏の受注開始に向けて、本年12月18日から、試験導入を希望する50社を対象とした無償トライアルの募集を開始する。募集期間は来年1月31日までで、同社ホームページOMNIedgeコーナー(https://www.thk.com/omniedge/jp/)から応募できる。

 THKではすでに、LMガイドやボールねじなどの機械要素部品にセンサを装着し、収集したデータを数値化、状態を可視化でき、LMガイドの破損や潤滑状態、ボールねじの予圧やガタの状態を検知できる「THK SENSING SYSTEM(TSS)」を開発。専用開発したセンサとアンプ、直動案内のトップシェアメーカーとして蓄積してきた膨大なデータベースを活用した、アルゴリズムを確立している。

 従来、現場の作業員の感覚で確認判断していたものを数値化することで、計画的なメンテナンスを可能とし、担当者の経験やスキルを問わず保全の効率化を実現するとともに、予備在庫の管理コストを削減できる。

 また、これまでの時間管理から状態管理に移行することで、交換時期を適正化して設備稼働率を高め、全体の生産効率を向上できる。

 さらに、すでに製造現場で稼働している設備にも装着できるよう、後付けが簡単にできる設計とした。

部品(LMガイド)にセンサをつけて現在の潤滑状態や摩耗状態を数値で見える化し、予兆検知を実施

 

 OMNIedgeは、このTHK SENSING SYSTEMに加えて、シスコのエッジコンピューティングルータ、ドコモのLTE通信、CTCのIoTシステムの構築・運用ノウハウを掛け合わせて構成。大事なデータを安心運用できるシステムに加えて、クラウドを使用することで、インフラ構築のコストおよび保守維持費用の低減が可能で、月額8000円/装置から導入が可能(スタンダードプラン)。

 数値化したデータをウェブ上でモニタできるほか、ユーザーで設定したしきい値を超えた場合は、アラートメールを発報し、設備の突発停止を防止するとともに、コミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」とも連動させて、部品調達を遅滞なく行えるようにする。

OMNIedgeの仕組み

 

プランと料金

 

 昨年10月からのLMガイドを対象に無償トライアルを募集し100社を超える企業から申し込みがあった。そのうち、輸送部品や電子部品、半導体、オプトエレクトロニクス、食品、医療、材料系(ガラス、プラスチック、ゴム)、鉄道、工作機械など、様々な業界の企業51社の協力のもと、実際の製造装置環境下でデータを収集し解析を実施した。

 トライアルした企業51社のうち、すでに37社と有償化・本格運用について打ち合わせが進んでいるなど、トライアルを通じ多くの企業から、LMガイドの破損状態や潤滑状態が見える化できるなど好評価があったことから、今回OMNIedgeの商用化を決めたもの。

 今後は、ボールねじやクロスローラーベアリングなどTHKの扱う他の機械要素部品へも展開し、装置から取得できるデータとの連携なども視野に入れていく。

 THKの寺町崇史 取締役専務執行役員は、OMNIedgeの現行のStandardプランではユーザーに正常/異常のしきい値を設定してもらうが、発展形のProfessionalプランでは、T当社がエンドユーザーと一緒になってデータを含めた解析を実施、目安閾値や目安寿命を提供できるようにしたい。さらに他要素部品との連携や設備内メカ要素の総合的解析を手掛けていきたい。OMNIedgeは、我々コンポーネントメーカーからエンドユーザーへの情報発信を可能にしたツール。4社協力のもと、エンドユーザーが最大のメリットを享受でき、製造現場の持続的な生産性向上に貢献できるようにOMNIedgeを発展させていきたい」と語った。

 

寺町崇史 取締役専務執行役員

 

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エボニック ジャパン、創立50周年記念式典を開催

4年 5ヶ月 ago
エボニック ジャパン、創立50周年記念式典を開催kat 2019年12日10日(火) in

 エボニック ジャパンは、11月19日に東京都千代田区のパレスホテル東京で「創立50周年記念式典」を開催、同社顧客をはじめとする関係者約200名が参加した。前身となるデグサ ジャパンが1969年11月22日に設立されてから、本年で50周年を迎えるのを機に催されたもの。

 本式典のために来日したハラルド・シュヴァーガー取締役会副会長(独エボニック インダストリーズ社)は、これまでの50年を振り返り、「エボニック ジャパンが事業拡大を続けることができたのは、日本の多くの顧客やサプライヤー、ビジネスパートナーと確固たる信頼関係を築くことができた恩恵、と謝辞を述べた。

 同氏はまた、「日本アエロジル、ダイセル・エボニック、DSL. ジャパン、サンアプロといったジョイントベンチャーの成功は全エボニックグループにおいても、ベスト・プラクティスと呼ぶべき、強固で効率的なもの」とコメントした。

 さらに、「アジアはエボニックの成長戦略において非常に重要な役割を担っており、世界の化学産業の売上の60%はアジアからのもので、日本を含むアジア地域はこれからも化学産業の未来を担うことから、この地域における投資はグローバルの成長戦略において重要な要素」と続けた。

ハラルド・シュヴァーガー氏

 

 続いて挨拶に立ったエボニック ジャパンのヴォルフガング・カスター社長は、「設立当時、当社は10名という小さな組織だったが、今では約200名の社員、そして、日本におけるエボニックグループは約450名に上る。日本での売上と利益は、常にGDPを上回る勢いで増加した。この成長の鍵となったのは、グローバルなエボニックグループの非常に優れた製品と技術で、これによって非常に厳しい日本市場で競争することができた。そして、献身的な社員、優れたジョイントベンチャー、何より、顧客やビジネスパートナーのお陰」と語った。

ヴォルフガング・カスター氏

 式典では社長交代式も行われ、2020年1月から新社長に就任するフロリアン・キルシュナー氏は、「エボニックジャパンのマネジメントチームとともに、日本におけるビジネスを成功させる機会と挑戦を楽しみにしている。そして、アジアにおけるエボニックのビジネスに貢献していく」と挨拶した。

写真左から、フロリアン・キルシュナー氏、ハラルド・シュヴァーガー氏、ヴォルフガング・カスター氏

 

 今回創立50周年を迎えたエボニック ジャパンでは、「今後も引き続き信頼できるパートナーとして、顧客やビジネスパートナー、そして社会のために取り組んでいきたい」と表明している。

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ダイセル・エボニックのPEEK樹脂が熱可塑性UDテープに採用

4年 5ヶ月 ago
ダイセル・エボニックのPEEK樹脂が熱可塑性UDテープに採用kat 2019年11月28日(木曜日) in

 ダイセル・エボニックのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂「ベスタキープⓇ」が、丸八の熱可塑性単方向(UD)テープに採用された。丸八の優れた厚み調整技術により繊維を均一に配列させることで1~2割強度が上昇するとともに、射出成形に比べてコンポジット化により弾性率を約10%アップさせ、薄肉化・軽量化を実現している。

 PEEK樹脂ベスタキープⓇをマトリックス樹脂として採用したこの熱可塑性UDテープは、レーザー積層技術を使用しており、高圧、高熱の環境で、耐薬品性を要求される深海での掘削用パイプへの採用を目指す。

 また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の日独プロジェクト「国際研究開発/コファンド/日本―ドイツ研究開発協力事業」では、超高強度のパイプ加工方法の確立を目指した研究開発が進められており、この熱可塑性UDテープは様々な用途への展開が期待されている。

ベスタキープを採用した丸八製UDテープ

 

PEEK 樹脂 ベスタキープ


 

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イグス、円滑な動きを実現するハイブリッドリニアシステムを開発

4年 5ヶ月 ago
イグス、円滑な動きを実現するハイブリッドリニアシステムを開発kat 2019年11日26日(火) in

 イグスは、従来品と比較し摩擦係数を低減させたハイブリッドリニアシステムを開発した。耐摩耗性の高性能ポリマー製ローラーとスライド部を装備した2種類のハイブリッドローラーベアリングが、摩擦を低減。取付け簡単なレールと組み合わせることで、コストパフォーマンスだけでなくデザイン性にも優れたシステムとして利用できる。

 

円滑な動きを実現するハイブリッドリニアシステム:ハイブリッドローラーベアリングが摩擦を低減

 

 ドライリン リニアガイドは、キャリッジに摩擦特性を最適化したスライド部が装備され、耐久性に優れていることから、包装機械や家具製造、工作機械等の可動部で採用されている。手動調整用に低摩擦が求められる場合には、ローラー付きのベアリングが使用されるが、特に側面取付けではローラーの位置が力の吸収を左右する。

 イグスは今回、このような用途においてスムーズな動作を確保しつつ、最大限の保持力を発揮するハイブリッドローラーベアリングを新たに2種類開発した。「WJRM-41-10」には傾斜をつけて最適な角度に調整された二つの樹脂製ローラーが搭載され、力の吸収・滑らかな回転を実現。一方、ローラー1個の「WJRM-31-10」は、下方に設置するサポートベアリング。

 さらに、これらのベアリングには、無潤滑・メンテナンスフリーで、低摩擦が特長のイグリデュールJ製スライド部も搭載されている。この2種類のハイブリッドローラーベアリングを使用することで、摩擦が低減され高耐久性を実現できる。

 2種類の新しいハイブリッドローラーベアリングは、キャリッジプレートWWYRを使用することでリニアキャリッジに拡張できる。イグスでは、このハイブリッドローラーベアリングに適合する薄型WSR-10-120レールも開発。このレールは見える部分に穴がないシンプルな設計で、裏側からスロットナットで取付けられるため、この新型レールとハイブリッドローラーベアリングを組み合わせることで、キッチンや家具、工作機械、治具設計等での側面取付け用途に最適。

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2019年11月号「特集1:自動車」「特集2:半導体製造プロセス」が発行!

4年 5ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2019年11月号「特集1:自動車」「特集2:半導体製造プロセス」が発行!admin 2019年11日25日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第21号となる2019年11月号が11月25日に小社より発行された。

 今号は、特集1「自動車」、特集2「半導体製造プロセス」で構成。

 特集1「自動車」においては、本年10月24日~11月4日に開催された「東京モーターショー2019」に見るモビリティの動向と、ICEの燃費向上および電動車両の電費向上に貢献する、潤滑油剤を含む最新のベアリング&モーション技術を紹介する。

 また、特集2「半導体製造プロセス」では、本年12月11日~13日に開催される「SEMICON Japan 2019」を通して半導体製造に関わるトレンドを紹介するとともに、半導体製造プロセスにおける低発塵や高速・高加減速、高精度などの要求に対応する最新のベアリング&モーション技術を紹介する。

 

特集1:自動車

◇「東京モーターショー2019」に見るベアリング&モーション技術・・・編集部
◇粘度指数向上剤の違いによる燃費向上効果についての検討・・・エボニック ジャパン 井上 保明
◇ステアリング補助機能付ハブベアリングの開発・・・NTN 宇都宮 聡
◇自動車製造工程・車載機器におけるモーション・プラスチック技術の適用・・・イグス 北川 邦彦 氏に聞く

特集2:半導体製造プロセス

◇「SEMICON Japan 2019」、「次代のコアになる。」のテーマで開催・・・SEMIジャパン 浜島 雅彦
◇SEMICON Japanに見るベアリング&モーション技術・・・編集部
◇パワー半導体用基板の技術と適用展開・・・フェローテック 大島 久和 氏に聞く

連載

注目技術:ITC Sendai 2019 企業展示に見るトライボロジー関連技術・・・企業展示出展各社

トピックス

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NTN、再生可能エネルギーとITによる減災・見守りシステム構築へ

4年 5ヶ月 ago
NTN、再生可能エネルギーとITによる減災・見守りシステム構築へkat 2019年11月21日(木曜日) in

 NTNは11月7日、大阪大学の吹田キャンパスで、ITを活用した防災や見守りに関する共同研究の一環として、拠点間長距離無線伝送実験を実施した。

 同社は、2017年より大阪大学と全国自治会活動支援ネットおよび企業によるITを活用した防災や見守りに関する共同研究に参画している。これまでに、風力や太陽光で発電する独立電源装置「NTNグリーンパワーステーション」を、実験機として同大学吹田キャンパスに3基設置し、実験や内部検証などを行ってきた。

 今回は、大阪大学吹田キャンパスの人間科学研究科棟周辺を被災地、近隣の吹田市立津雲台小学校を救援本部と想定し、仮想の被害状況について長距離無線を使って送受信を行った。

 実験ではアプリを通じて、人間科学研究科棟前の独立電源装置から被災人数や怪我人の有無などの被災状況を発信し、キャンパス内の同装置2基、人間科学研究科棟、工学研究科棟のアンテナを経由して、キャンパスから約2.5㎞離れた救援本部へメッセージを送信した。

 また、カメラ映像による被災状況の確認や被災地と救援本部とのメッセージの送受信も実施した。これまでキャンパス内の通信実験は行ってきたが、長距離間の無線伝送を実施したのは初めて。

 本年9月、台風15号により千葉県を中心に大規模被害が発生し、広域かつ長期間にわたって停電や通信遮断が起こったため、被災状況の把握や救援活動が困難な事態となった。

 本共同研究で取り組む再生可能エネルギーを活用した通信システムの構築は、こうした事態の解決策となるもので、NTNでは、災害時だけでなく、平常時には監視カメラなどを搭載することで地域の子どもの見守りなどの機能としても活用されることを想定している。

 NTNでは今後も本共同研究を通じて防災・減災、そして地域の見守りに役立つシステムの構築を進めることで、地域社会の安全・安心に貢献していく考えだ。

 

想定被災地(大阪大学吹田キャンパス)の独立電源装置より被災状況を発信

 

 

想定救援本部(吹田市立津雲台小学校)でメッセージ送受信、監視カメラ映像確認

 

 

拠点間長距離無線伝送実験 イメージ図

 

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ジェイテクト、軸受・ステアリングなどのCASE対応や新規事業などの展開を発表

4年 5ヶ月 ago
ジェイテクト、軸受・ステアリングなどのCASE対応や新規事業などの展開を発表 in kat 2019年11日19日(火) in in

 ジェイテクトは11月19日、東京都中央区の東京ジェイテクトビルで記者説明会を開催、安形哲夫社長が、軸受、ステアリング、駆動、工作機械・メカトロニクスの各事業におけるCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)対応や新規事業の展開について説明した。

各事業のCASE対応や新規事業の展開について説明する安形社長

 

 CASE対応については特にAutonomous(自動化)とElectric(電動化=電気自動車)のテーマに絞って取組みを紹介。

 自動運転への対応では、自動走行技術領域をステアリング・駆動アシストで支援していく。本年4月にデンソー、アイシン精機、アドヴィックスと共同で設立した「J-QuAD DYNAMICS」を母体に、ステアリングやブレーキなどの統合制御システム開発によってサポートしていく一方、高精度舵角制御やハンズオンディテクション、手動操舵と自動操舵をシームレスに切り替える操舵権限移譲技術など、ステアリングを介して人とシステムが協調することによって、より快適な自動運転を実現していく姿勢を示した。

人とクルマの意思が調和する自動運転対応技術

 

 また、電動パワーステアリング(EPS)搭載が難しく自動運転化が困難と見られていたバス・トラックなど大型輸送車向けに、自動運転対応ステアリングシステムを開発。EPSの制御技術をコラム同軸アクチュエータに応用、アクチュエータが人の操作の代わりとなり、油圧パワーステアリング(HPS)を操作する。

大型輸送車用自動運転対応ステアリングシステム

 

 さらに、ステアリングホイールの操作を電気信号で転舵装置に伝える「ステアバイワイヤシステム」について、操舵フィーリングの向上を実現するとともに自動運転におけるシステムによる操作とドライバーによる操作をスムースに融合・移譲する制御技術を実現する次世代のステアリングシステムとして開発を進めてきたが、すでに1車種で採用が決まったと報告。レイアウトフリーで居住空間拡大に貢献するこのステアバイワイヤシステムを、補助電源システムとして-40~105℃の動作温度範囲に対応しつつ冷却システム不要で同様に省スペース化に寄与できる「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」とセットで提案していく意向を示した。

 同リチウムイオンキャパシタは自動車分野以外でも航空機、建設機械・農業機械など幅広い分野で500件を超える引き合いがあり、すでに鉄道で採用が決まっている。本年10月からは愛知県岡崎市の花園工場で量産を開始、第一ライン生産能力は48万セル/年まで拡張可能という。

量産を開始した花園工場 新キャパシタ生産棟

 

 電気自動車(EV)化への対応では、ビュアEVの市場が当面は急拡大することはなく、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド(PHEV)が主流で発電機としてのエンジンが搭載され続けるとの見方を踏まえて、エンジンの小型化が進む、モータの採用が拡大していく、電池の搭載が拡大していく、というトレンドを示した。

 このトレンドに伴ってEV用モータなどに対応する軸受開発製品としては、「高速回転対応深溝玉軸受」や「クリープ摩耗抑制玉軸受」といったモータ・減速機用玉軸受によって、電動ユニットの小型化へ貢献していく。また、「電動ブレーキ用ボールねじ」など、モータの回転運動を効率的に直線運動に変換する電動アクチュエータ用ボールねじによって、電気自動車/自動運転に貢献できる製品群を充実させていく考えを示した。

モータ・減速機用玉軸受:左が高速回転対応深溝玉軸受、右がクリープ摩耗抑制玉軸受

 

電動ブレーキ用ボールねじ

 

 そのほか、駆動事業ではガソリンエンジン車のアイドルストップ用に搭載されていた電動オイルポンプをEVの駆動モータの油冷装置として活用するほか、工作機械・メカトロニクス事業ではEV部品加工の生産性向上に貢献するギヤスカイビングセンタや研削盤、高精度ロールの加工に供する円筒研削盤やリチウム電池製造ラインなど電池生産システムの提供などに注力していく。

 アシスト技術やロボティクス技術、トライボロジー技術といった同社の技術・強み・知見を活かし、労働人口不足やものづくりの知見不足、水問題といった社会課題を解決する商品・サービスの開発を進める新規事業では、先ごろ開発した自立支援歩行器「J Walker テクテック」に関してリハビリを長続きさせるためのゲーミフィケーションを採用したことや、製造業マッチングクラウドサービスを開始したこと、実績の多い水位センサとIoEや制御技術を掛け合わせて井戸の流入量と揚水量を見える化し制御、井戸の長寿命化に貢献する「J WeLLシステム」を人口増に伴う水不足が深刻なインドで試験運用を始めていることなどを報告した。

「J Walker テクテック」:リハビリの“やる気”を維持するゲーミフィケーションを採用

 

水管理ソリューション「J WeLL」

 

 同社では今後、同社前身の光洋精工・豊田工機から支えてきたモビリティ、インダストリー領域に加え、こうした新規事業を創出することで“ヒューマンライフサポート”などへと事業領域を拡大していく。

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エムエスシーソフトウェア、マルチフィジックス・混相流機能を強化した新CFDソリューションをリリース

4年 5ヶ月 ago
エムエスシーソフトウェア、マルチフィジックス・混相流機能を強化した新CFDソリューションをリリースkat 2019年11日18日(月) in

 エムエスシーソフトウェアはこのほど、最新の熱流体解析(CFD)ソリューションとして、グループ企業のソフトウェアクレイドルが開発した構造格子系汎用三次元熱流体解析システム「STREAM」/電子機器筐体、放熱部品の熱解析専用パッケージ「熱設計PAC」、ポリヘドラルメッシュを採用した熱流体解析システム「scFLOW」、解析結果可視化ツール「scPOST」のV2020をリリースした。

 最新バージョンでは、「マルチフィジックス」「混相流」といった機能を強化し、よりリアルなCFDシミュレーションの実現を目指した。

 マルチフィジックス(Multi-Physics)機能の強化ではまず、scFLOW環境において、より詳細な流体騒音の解析が可能になった。scFLOWのプラグイン機能(scFLOW2Actran)により、エムエスシーソフトウェアの音響解析ソフトウェア「Actran」のGUIを介さずに、scFLOWの操作のみで流体騒音解析を実施することが可能になった。これにより効率的に連成解析を進めることで、エンジニアリングタイムの短縮を図れる。

 

scFLOW2Actranを用いた解析結果:ドアミラー周囲のノイズ分布

 

 また、V2020ではMSC CoSim Engineを介して、エムエスシーソフトウェアの構造解析ソフト「Nastran」および「Marc」、機構解析ソフト「Adams」といった製品群とより密接に連携するほか、scPOSTでは構造解析、機構解析、音響解析で得られた両方の結果を一つの画面に簡単に表示・操作でき、よりリアルで力強い描画を作成することが可能となっている。

 

MSC CoSim Engineを用いたFEMとCFDの連成結果をscPOSTで出力した例

 

 さらに、熱経路を視覚化するHeatPathViewから、1-Dシミュレーションツールにモデルを継承できるようになった。熱問題の検討に留まらず、機構や電気等他の1-Dシミュレーション解析と連携し、包括的に製品の解析モデルを構築することが可能となる。

 

HeatPathViewから1-D解析を行うまでの流れ

 

 一方、混相流(Multi-Phase)機能の強化では、離散要素法(DEM)とCFDの連成機能がscFLOW V2020に初めて搭載され、また先行して搭載されていたSTREAM においてもV2020でさらに強化された。粒子・流体・固体間熱移動やフィルターの解析をCFD解析の有無に関わらず実行できる。また、MSC CoSim Engineを用いることで、DEM-CFD解析を構造解析や機構解析に接続できる。

 

DEM-CFD連成によるコンベアと衣類洗濯機の解析

 

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日本精工、直動案内用潤滑ユニットの潤滑油供給能力を向上

4年 5ヶ月 ago
日本精工、直動案内用潤滑ユニットの潤滑油供給能力を向上kat 2019年11日14日(木) in

 日本精工は1996年に業界初の直動案内(リニアガイド)用潤滑ユニット「NSK K1TM」を販売開始し、機械・設備の長期メンテナンスフリー化に貢献してきたが、このほど、近年のスマートファクトリー化に伴うメンテナンスフリー化の要求に応えるため、潤滑油供給能力を大幅に向上させた新潤滑ユニット「NSK K1-L」を開発した。機械のメンテナンスサイクル延長に貢献する。本年12月から販売を開始する。

NSKリニアガイド用潤滑ユニットNSK K1-L

 

 直動案内は機械の直線運動を案内する要素部品として使用されるが、その性能を長く保つためには潤滑が重要になるが、生産現場ではこの潤滑のメンテナンスにかかる負担を減らすとともに、メンテナンスによる機械停止頻度を減らして生産性を上げることが求められている。

 同社では直動案内に潤滑油を供給する潤滑ユニット「NSK K1」を世界に先駆けて開発し、1996年の発売以来20年以上にわたって、機械の長期メンテナンスフリー化に貢献、またそのクリーンな潤滑方式は環境改善にも大きく寄与してきた。

 今回同社では、近年のスマートファクトリー化の進展によるメンテナンス間隔の延長や、環境への配慮からの省資源・省エネルギー化といったニーズに対応して、潤滑油供給能力を向上させた新しい潤滑ユニット「NSK K1-L」を開発したもの。

 開発品の特徴は以下のとおり。

1.潤滑油を多量に含有した樹脂で構成されており、内部の潤滑油が徐々に染み出すことによって長期にわたって直動案内に潤滑油を供給するが、さらに新開発の材料によって潤滑油供給期間が現行比約2倍に向上した。

2.レールとの接触構造を改良することによってスライダ駆動時の動摩擦力を約20%低減した。

3.潤滑ユニットをケースに収容。潤滑ユニットを保護して破損を防ぐとともに、外部からの異物の侵入を防ぐ。

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SKF、EVとICEの展開を見据え、円すいころ軸受の低摩擦化に取り組み

4年 5ヶ月 ago
SKF、EVとICEの展開を見据え、円すいころ軸受の低摩擦化に取り組みkat 2019年11日14日(木) in in

 SKFは、電気自動車(EV)が2024年までに全自動車販売のうち10%を占めることになると予想(Deloitte社による予測)される一方で、内燃機関(ICE)を搭載した乗用車が依然としてこの先何年もの間市場に残ると見て、両者で求められる円すいころ軸受の一層の低摩擦化に取り組んでいる。

低摩擦円すいころ軸受

 

 自動車分野では、燃料効率の改善と二酸化炭素(CO2)排出に対する世界的な規則を満たすために、ICEとトランスミッションのしゅう動部における摩擦損失低減が課題となっている。特にICEとEV車両のパワートレインにおける軸受への要求が強まってきている。

 摩擦による動力損失は、従来型およびハイブリッドタイプのパワートレインのCO2排出を増大し、バッテリー式電気自動車(BEV)の1回の充電で達成可能な走行可能距離を短くする結果となる。そのため自動車メーカーではギヤボックス、減速機および差動装置に標準設計の円すいころ軸受ではなく、低摩擦タイプの円すいころ軸受を採用する傾向にある。

 こうした中、SKFでは、特定のアプリケーションにおいて従来の円すいころ軸受と比べて動力損失を最大50%低減する低摩擦円すいころ軸受の開発に取り組んでいる。同社では、どんなアプリケーション向けにも特注製品を作ることのできる「ツールボックス」アプローチがあり、高度なシミュレーション技術を用いて各アプリケーションのニーズを特定した後、同社の技術者が接触角、転動体の数および寸法、さらに保持器の設計などのパラメーターを修正することで、高度に摩擦特性が最適化された円すいころ軸受を製作できる。

 EVが効率的に動作するには、車を動かすモータが超高速で回転する必要があり、使用する軸受に大きな負担がかかる。SKFでは、モータによる高速回転、加速度、温度に対する耐性を確保する軸受や樹脂製保持器、潤滑剤を開発している。

 自動車パワートレインの進化によって、軸受の性能要件の変更だけでなく、潤滑剤のフォーミュレーションの変更も余儀なくされる。パワートレインにおいて動力損失を低減するために、潤滑剤メーカーは低粘度オイルと特殊な添加剤を開発している。

 SKFでは、これら新しい潤滑剤が軸受に与える影響については調査を進めており、例えば、一部の潤滑剤では摩耗あるいは軸受軌道面と転動体間の表面疲労を充分に防止できないかもしれないとしている。それに対するソリューションの一つとして同社では、軸受部品の浸炭窒化処理技術が有用として、汚染された環境や潤滑不良にさらされている軸受の実用寿命の向上に取り組んでいる。

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東京モーターショー2019が開催、未来のモビリティに対応するベアリング&モーション技術が披露

4年 6ヶ月 ago
東京モーターショー2019が開催、未来のモビリティに対応するベアリング&モーション技術が披露 in kat 2019年11日12日(火) in in

 「第46回東京モーターショー2019」(主催:日本自動車工業会(JAMA))が10月24日~11月4日、東京都江東区の東京ビッグサイト(青海・西・南展示棟)、MEGA WEB、ヴィーナスフォート、シンボルプロムナード公園などで開催された。

 今回は「OPEN FUTURE」をテーマに、192の企業・団体が参加、業界を超えてオールインダストリーで「クルマ・バイクのワクワクドキドキ」から「未来の暮らし」、「未来の街」にまで領域を広げ、130万900人が未来のモビリティ社会を体感した。

 
クルマが主役の展示から、人が主役の展示へ

 トヨタブースでは、従来の市販予定車やコンセプトカー中心の展示から、人を中心とした未来のモビリティ社会を体感できるテーマパークに大きくモデルチェンジした。プレスデーの10月23日に同社ブースで挨拶に立ったJAMA会長でトヨタ自動車社長の豊田章男氏は、「今回の“参加・体感型ブース”は、来場者に楽しんでもらい、未来のモビリティにおいてもFUN TO DRIVEを大切にしたいという気持ちを伝えるコンセプトとした。トヨタ生産方式の“自働化”と“Just in time方式”に共通するのは、人を中心に置く考え。だからこそ、人が中心に居続ける未来をトヨタは描いている。クルマの自動化が進めば進むほど、大量の情報を判断し瞬時に処理できる人間の力が試されることになると考えている」と語った。

 

自動運転システム搭載のEV「e-Palette」を背に、「ブースのコンセプトはHuman Connected。トヨタは人間の力を信じている」と語る豊田章男氏

 

充電・電力活用システム含め、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッドEV(PHEV)が提案

 初の量産電気自動車(EV)でe-SKYACTIVEを搭載したマツダの「MX-30」や、ツインモーター4輪制御を採用した日産自動車のクロスオーバーコンセプトのEV、発電機にガスタービンエンジンを用いる三菱自動車のPHEV「MI-TECH CONCEPT」、など電動車両が披露される中、今回は「日産リーフ」に電気を蓄え、走る以外にも電気を活用する「ニッサンエナジーシェア」を表現したモデルルームの展示や、太陽光パネルやV2H機器などで構成するシステムをパッケージ化し、EVやPHEVの購入と併せて販売・設置・アフターメンテナンスを提供する三菱自動車の「電動DRIVE HOUSE」などが提案された。販売の伸び悩むEVとインフラ整備の遅れる充電設備に関して、自動車メーカー自らが電気を「つくる」「ためる」「使う」ためのより付加価値の高いシステムとして、EVと電力相互供給システムというトータルソリューションを示した形だ。

 

日産自動車「ニッサンエナジーシェア」を表現したモデルルーム

 

燃料電池車(FCV)の市場投入が本格化

 トヨタ自動車は、メインブースには市販予定車を1台も置かなかったものの、2020年に発売予定の燃料電池車(FCV)第2世代の「MIRAI Concept」をMEGA WEB で展示した。MIRAI Conceptでは新型FCスタックによって航続距離を従来比約30%増の約850kmに延長している。

 

トヨタ自動車「MIRAI Concept」


 

 また、メルセデス・ベンツでは、世界初の燃料電池PHV「GLC F-CELL」を披露した。水素を燃料に使い発電、その電力でモーターを駆動するFCVであると同時に、発電した電力を大容量バッテリーに蓄電できる。蓄電した電力のみでもモーターが駆動できるため、水素がなくとも、蓄電した電力さえあれば走行可能。専用の充電プラグを介しての蓄電も可能にしている。

 

メルセデス・ベンツ「GLC F-CELL」

メルセデス・ベンツ「GLC F-CELL」
 

自動運転システム、レベル4への技術革新進む

 トヨタは、電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EVと位置付ける「e-Palette」や、会話型のAIエージェントとレベル4(高度運転自動化)相当の自動運転技術を搭載するコンセプトカー「LQ」を展示した。

 

トヨタ自動車「LQ」


 

 「e-Palette」は東京2020オリンピック・パラリンピック専用車両として使われる予定で、高精度3Dマップなどを活用しながら、レベル4での最高速度時速19kmの低速自動運転を可能にしている。将来的には、ネット通販と連携した自動配送や移動店舗、オンデマンドバスや移動オフィスとしての利用を想定し、2023年の市場投入を目指している。「LQ」についても、2020年には公道で自動運転の体験イベントも行う計画がある。

 そのほか、スズキのモバイルルーム自動運転車「HANARE(ハナレ)」が披露されるなど、今回の展示では、レベル4に向けた日本の自動運転技術の進捗度がアピールされた。

 

エンジンの低フリクション化も進展

 トヨタ自動車は、2020年2月発売予定の「ヴィッツ」改め「YARiS」をヴィーナスフォートで展示した。

 今後トヨタの先進国向けコンパクトカーのベースとなるTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用したほか、エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなど、すべてをゼロベースから作り上げた。軽量で高剛性、低重心のボディに加え、新開発「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」に対しDirect Shift-CVTと新世代ハイブリッドシステム、6速マニュアル、また改良を加えた1.0Lエンジンに対し小型軽量化したCVTと、4種類のパワートレーンを用意し、軽快で上質な乗り心地と、スムースでダイレクトな加速を実現した。

 直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンは、ロングストロークやバルブ挟角拡大などの高速燃焼技術を採用し、低燃費と高出力を両立。直列3気筒1.0Lエンジンは、高タンブル流や高EGR(排気再循環)率、フリクション低減などの改良により、軽快な走りと低燃費を両立。低フリクション化では、本年10月に発行されたJASOの規格GLV-1に組み込まれた超低粘度規格0W-8に適合するエンジンオイルも採用されるという。

 

トヨタ自動車「YARiS」

 

エンジンの低燃費化に対応するベアリング&モーション技術

 CO2排出量削減からますます要求の強まるエンジンの低燃費化に対して、大同メタル工業は、エンジンの機械損失低減に貢献するエンジンベアリングの低フリクション技術として、軸受表面に固体潤滑剤を分散させた樹脂層を施した耐摩耗性向上コーティングによってアイドルストップ仕様エンジン用軸受として採用されている「DLA02」を紹介した。さらに最近では、耐摩耗・耐焼付き性コーティングを施したエンジンベアリング「DLA06」が開発され、軸受表面に固体潤滑剤を分散させた樹脂層を若干やわらかくすることで異物混入時の耐摩耗性を高める異物埋収性を付与したほか、低粘度化の進むエンジンオイルの使用条件下で発生しやすい温度上昇を抑制、焼付きを防ぐことをアピールした。

大同メタル工業「DLA02ほか」

 

 また、日本ピストンリングでは、自動車エンジン用シリンダボアにマイクロテクスチャ(ディンプル)を施すことで低摩擦化を実現する「ディンプルライナ」を展示。省燃費化に寄与できることなどから、世界で初めてトラック用ディーゼルエンジンに採用されている。また、摺動時にシリンダとの摩擦を減らすことで低燃費につながるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜のピストンリングを紹介した。

 

日本ピストンリング「DLCピストンリングとディンプルライナ」


 

電動化・自動運転に貢献するベアリング技術

 ジェイテクトは、ハイブリッド車(HEV・PHEV)や電動車(EV・FCV)の変速機などで主に使用される「クリープ摩耗抑制玉軸受」を展示した。クリープが発生すると、軸受とハウジングが擦れ合うことでその双方が摩耗して軸の芯ずれや傾きを引き起こし、結果、ギヤのかみ合い不良による変速機の機能低下や異音などの不具合が発生する恐れがある。従来は、クリープによる不具合を避けるため、軸受の外輪を厚くしたり、固体潤滑皮膜を使用したりといった策が取られてきたが、どちらもサイズ・重量やコスト面での課題があり、最適な製品の開発が必要だった。開発品では、外輪の外径中央部に円周方向の溝を作ることで、「ひずみクリープ」によるハウジング摩耗の抑制に貢献する技術に加え、外輪全体に特殊皮膜を施すことで、「連れ回りクリープ」によるハウジング摩耗に対しても効果のある軸受の開発に成功した。

 

ジェイテクト「クリープ摩耗抑制玉軸受」

 


 日本ピストンリングは、「3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータ」を展示。アキシャル構造・3D形状圧粉コア採用により、小型・低速・高トルク駆動を実現。インホイールモータのため、機械損失の低減やギア音の削減に貢献するほか、エアギャップの可変に対応しており、高速や高トルクなど、モータ特性を用途に合わせて変更できる。小型EVなどへの適用を提案していく。
 

日本ピストンリング「3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータ」

 


 日本精工は、ブリヂストン、東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本研究室、ローム、東洋電機製造と共同で開発した、道路からインホイールモータ(IWM)に直接給電できる「第3世代走行中ワイヤレス給電IWM」を展示した。これは、EV)に必要な受電から駆動までのすべての機能をタイヤの内側に配置することで、走行中ワイヤレス給電性能、モータ性能、車両への搭載性を大幅に改善することを可能にするもの。今後、2022年までにタイヤを含めた車両での評価を行い、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指す。

 

日本精工「第3世代走行中ワイヤレス給電IWM」

 

 

FCVの水素環境下での稼働を円滑にするモーション技術

 ジェイテクトは、燃料電池自動車の動力源となる高圧水素が貯蔵されているタンクに装着され、高圧水素を封止/供給する役割を担う「高圧水素供給バルブ」や、バルブから供給された高圧水素を下流のスタックで使用可能な圧力まで減圧する「減圧弁」を納入しているが、同社ではこのほど、水素環境中における材料および潤滑剤の評価を可能とする「水素環境用軸受評価試験機」を開発、FCVなどの水素環境でも安心して使用できる軸受を開発することを可能にしている。

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東京モーターショー2019が開催、未来のモビリティに対応する機械要素技術が披露

4年 6ヶ月 ago
東京モーターショー2019が開催、未来のモビリティに対応する機械要素技術が披露kat 2019年11月12日(火曜日) in

 「第46回東京モーターショー2019」(主催:日本自動車工業会(JAMA))が10月24日~11月4日、東京都江東区の東京ビッグサイト(青海・西・南展示棟)、MEGA WEB、ヴィーナスフォート、シンボルプロムナード公園などで開催された。今回は「OPEN FUTURE」をテーマに、192の企業・団体が参加、業界を超えてオールインダストリーで「クルマ・バイクのワクワクドキドキ」から「未来の暮らし」、「未来の街」にまで領域を広げ、130万900人が未来のモビリティ社会を体感した。

 
クルマが主役の展示から、人が主役の展示へ

 トヨタブースでは、従来の市販予定車やコンセプトカー中心の展示から、人を中心とした未来のモビリティ社会を体感できるテーマパークに大きくモデルチェンジした。プレスデーの10月23日に同社ブースで挨拶に立ったJAMA会長でトヨタ自動車社長の豊田章男氏は、「今回の“参加・体感型ブース”は、来場者に楽しんでもらい、未来のモビリティにおいてもFUN TO DRIVEを大切にしたいという気持ちを伝えるコンセプトとした。トヨタ生産方式の“自働化”と“Just in time方式”に共通するのは、人を中心に置く考え。だからこそ、人が中心に居続ける未来をトヨタは描いている。クルマの自動化が進めば進むほど、大量の情報を判断し瞬時に処理できる人間の力が試されることになると考えている」と語った。

 

自動運転システム搭載のEV「e-Palette」を背に、「ブースのコンセプトはHuman Connected。トヨタは人間の力を信じている」と語る豊田章男氏

 

充電・電力活用システム含め、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッドEV(PHEV)が提案

 初の量産電気自動車(EV)でe-SKYACTIVEを搭載したマツダの「MX-30」や、ツインモーター4輪制御を採用した日産自動車のクロスオーバーコンセプトのEV、発電機にガスタービンエンジンを用いる三菱自動車のPHEV「MI-TECH CONCEPT」、など電動車両が披露される中、今回は「日産リーフ」に電気を蓄え、走る以外にも電気を活用する「ニッサンエナジーシェア」を表現したモデルルームの展示や、太陽光パネルやV2H機器などで構成するシステムをパッケージ化し、EVやPHEVの購入と併せて販売・設置・アフターメンテナンスを提供する三菱自動車の「電動DRIVE HOUSE」などが提案された。販売の伸び悩むEVとインフラ整備の遅れる充電設備に関して、自動車メーカー自らが電気を「つくる」「ためる」「使う」ためのより付加価値の高いシステムとして、EVと電力相互供給システムというトータルソリューションを示した形だ。

 

日産自動車「ニッサンエナジーシェア」を表現したモデルルーム

 

燃料電池車(FCV)の市場投入が本格化

 トヨタ自動車は、メインブースには市販予定車を1台も置かなかったものの、2020年に発売予定の燃料電池車(FCV)第2世代の「MIRAI Concept」をMEGA WEB で展示した。MIRAI Conceptでは新型FCスタックによって航続距離を従来比約30%増の約850kmに延長している。

 

トヨタ自動車「MIRAI Concept」

 

 また、メルセデス・ベンツでは、世界初の燃料電池PHV「GLC F-CELL」を披露した。水素を燃料に使い発電、その電力でモーターを駆動するFCVであると同時に、発電した電力を大容量バッテリーに蓄電できる。蓄電した電力のみでもモーターが駆動できるため、水素がなくとも、蓄電した電力さえあれば走行可能。専用の充電プラグを介しての蓄電も可能にしている。

 

メルセデス・ベンツ「GLC F-CELL」

 

自動運転システム、レベル4への技術革新進む

 トヨタは、電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EVと位置付ける「e-Palette」や、会話型のAIエージェントとレベル4(高度運転自動化)相当の自動運転技術を搭載するコンセプトカー「LQ」を展示した。

 

トヨタ自動車「LQ」

 

 「e-Palette」は東京2020オリンピック・パラリンピック専用車両として使われる予定で、高精度3Dマップなどを活用しながら、レベル4での最高速度時速19kmの低速自動運転を可能にしている。将来的には、ネット通販と連携した自動配送や移動店舗、オンデマンドバスや移動オフィスとしての利用を想定し、2023年の市場投入を目指している。「LQ」についても、2020年には公道で自動運転の体験イベントも行う計画がある。

 そのほか、スズキのモバイルルーム自動運転車「HANARE(ハナレ)」が披露されるなど、今回の展示では、レベル4に向けた日本の自動運転技術の進捗度がアピールされた。

エンジンの低フリクション化も進展

 トヨタ自動車は、2020年2月発売予定の「ヴィッツ」改め「YARiS」をヴィーナスフォートで展示した。

 今後トヨタの先進国向けコンパクトカーのベースとなるTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用したほか、エンジン、ハイブリッドシステム、トランスミッション、サスペンションなど、すべてをゼロベースから作り上げた。軽量で高剛性、低重心のボディに加え、新開発「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」に対しDirect Shift-CVTと新世代ハイブリッドシステム、6速マニュアル、また改良を加えた1.0Lエンジンに対し小型軽量化したCVTと、4種類のパワートレーンを用意し、軽快で上質な乗り心地と、スムースでダイレクトな加速を実現した。

 直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンは、ロングストロークやバルブ挟角拡大などの高速燃焼技術を採用し、低燃費と高出力を両立。直列3気筒1.0Lエンジンは、高タンブル流や高EGR(排気再循環)率、フリクション低減などの改良により、軽快な走りと低燃費を両立。低フリクション化では、本年10月に発行されたJASOの規格GLV-1に組み込まれた超低粘度規格0W-8に適合するエンジンオイルも採用されるという。

 

トヨタ自動車「YARiS」

 

エンジンの低燃費化に対応するベアリング&モーション技術

 CO2排出量削減からますます要求の強まるエンジンの低燃費化に対して、大同メタル工業は、エンジンの機械損失低減に貢献するエンジンベアリングの低フリクション技術として、軸受表面に固体潤滑剤を分散させた樹脂層を施した耐摩耗性向上コーティングによってアイドルストップ仕様エンジン用軸受として採用されている「DLA02」を紹介した。

 さらに最近では、耐摩耗・耐焼付き性コーティングを施したエンジンベアリング「DLA06」が開発され、軸受表面に固体潤滑剤を分散させた樹脂層を若干やわらかくすることで異物混入時の耐摩耗性を高める異物埋収性を付与したほか、低粘度化の進むエンジンオイルの使用条件下で発生しやすい温度上昇を抑制、焼付きを防ぐことをアピールした。

大同メタル工業「DLA02ほか」

 

 また、日本ピストンリングでは、自動車エンジン用シリンダボアにマイクロテクスチャ(ディンプル)を施すことで低摩擦化を実現する「ディンプルライナ」を展示。省燃費化に寄与できることなどから、世界で初めてトラック用ディーゼルエンジンに採用されている。また、摺動時にシリンダとの摩擦を減らすことで低燃費につながるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜のピストンリングを紹介した。

 

日本ピストンリング「DLCピストンリングとディンプルライナ」

 

 リケンではまた、大型ディーゼルエンジン向けに耐摩耗性と低摩擦特性を付与する厚膜DLC被覆のピストンリングを、レース用二輪車の高回転化に有利なフィンガーフォロワーに対し、摺動抵抗低減を目的にDLCを施した製品を展示した。

 

リケン「厚膜DLCリングやDLCフィンガーフォロワー」

 

電動化・自動運転に貢献するベアリング技術

 ジェイテクトは、ハイブリッド車(HEV・PHEV)や電動車(EV・FCV)の変速機などで主に使用される「クリープ摩耗抑制玉軸受」を展示した。クリープが発生すると、軸受とハウジングが擦れ合うことでその双方が摩耗して軸の芯ずれや傾きを引き起こし、結果、ギヤのかみ合い不良による変速機の機能低下や異音などの不具合が発生する恐れがある。従来は、クリープによる不具合を避けるため、軸受の外輪を厚くしたり、固体潤滑皮膜を使用したりといった策が取られてきたが、どちらもサイズ・重量やコスト面での課題があり、最適な製品の開発が必要だった。開発品では、外輪の外径中央部に円周方向の溝を作ることで、「ひずみクリープ」によるハウジング摩耗の抑制に貢献する技術に加え、外輪全体に特殊皮膜を施すことで、「連れ回りクリープ」によるハウジング摩耗に対しても効果のある軸受の開発に成功した。

 

ジェイテクト「クリープ摩耗抑制玉軸受」


 日本ピストンリングは、「3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータ」を展示。アキシャル構造・3D形状圧粉コア採用により、小型・低速・高トルク駆動を実現。インホイールモータのため、機械損失の低減やギア音の削減に貢献するほか、エアギャップの可変に対応しており、高速や高トルクなど、モータ特性を用途に合わせて変更できる。小型EVなどへの適用を提案していく。
 

日本ピストンリング「3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータ」


 日本精工は、ブリヂストン、東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本研究室、ローム、東洋電機製造と共同で開発した、道路からインホイールモータ(IWM)に直接給電できる「第3世代走行中ワイヤレス給電IWM」を展示した。これは、EV)に必要な受電から駆動までのすべての機能をタイヤの内側に配置することで、走行中ワイヤレス給電性能、モータ性能、車両への搭載性を大幅に改善することを可能にするもの。今後、2022年までにタイヤを含めた車両での評価を行い、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指す。

 

日本精工「第3世代走行中ワイヤレス給電IWM」

 

FCVの水素環境下で円滑に稼動するベアリング&モーション技術

 ジェイテクトは、燃料電池自動車の動力源となる高圧水素が貯蔵されているタンクに装着され、高圧水素を封止/供給する役割を担う「高圧水素供給バルブ」や、バルブから供給された高圧水素を下流のスタックで使用可能な圧力まで減圧する「減圧弁」を納入しているが、同社ではこのほど、水素環境中における材料および潤滑剤の評価を可能とする「水素環境用軸受評価試験機」を開発、FCVなどの水素環境でも安心して使用できる軸受を開発することを可能にしている。

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イグス、第7回ベクター賞:エナジーチェーンの優れた使用事例を募集

4年 6ヶ月 ago
イグス、第7回ベクター賞:エナジーチェーンの優れた使用事例を募集 in kat 2019年11日12日(火) in

 イグスは、機械や設備の可動部でケーブルやホースを保護・案内するケーブル保護管「エナジーチェーン」の革新的な使用事例を表彰するコンテスト「ベクター賞」を開催している。産業界を超えて広く日々の生活に貢献するエナジーチェーンの大胆で革新的な事例を募集している(www.igus.co.jp/vector-award)。

 

 今回で7回目となるベクター賞は、産業界における問題を解決した使用事例や、技術的並びに経済的に優れた事例、さらには独創性を発見することを目標に、2008年の創設以来隔年で開催されている。

 応募作品は研究分野や業界誌およびメーカーの専門家から構成される独立した審査員によって審査。受賞者は2020年ハノーバー・メッセ(4月20日~24日に開催)で表彰され、金賞には賞金5000€、銀賞には2500€、銅賞には1000€が贈られる。前回2018年には、30を超える国から187のご応募があった。

 これまでの受賞事例には、スペインの機械メーカーLoxin社による飛行機胴体にリベットを打つロボット(2018年ベクター金賞)、ノルウェーのRobotic Drilling Systems社が開発した掘削基地におけるドリルの位置決めを行う機械(2016年ベクター金賞)、ドイツのデュースブルク・エッセン大学が開発した高層ラックの8本のワイヤーによる搬送システム(2014年ベクター金賞)などがある。

 いずれの事例もそれぞれ特徴があるが、共通点としてエナジーチェーンを使った用途の多様性を示し、他の設計者の方々にインスピレーションを与えていることが挙げられる。

 応募は、エナジーチェーン使用事例に関する説明文、写真、動画または図面を添えて、2020年2月28日までオンラインで受付している。

 詳しい情報は、以下から確認できるが、コンテストへの応募条件のほか、2018年の受賞事例等が掲載してある。

www.igus.co.jp/vector-award

kat

フェローテック、パワー半導体用基板の技術を深化、適用展開へ

4年 6ヶ月 ago
フェローテック、パワー半導体用基板の技術を深化、適用展開へkat 2019年11月11日(月曜日) in

 フェローテックホールディングス(https://www.ferrotec.co.jp/)傘下のフェローテック(http://www.ferrotec.jp/)のコア技術としては、1980年の創業以来のビジネスである磁石に反応する液体「磁性流体」や、電流によって発熱・吸熱を制御できる「サーモモジュール」、セラミックス基板に銅回路板を共晶反応によって接合した放熱絶縁基板「パワー半導体」用の基板がある。同社では近年、「オートモーティブ プロジェクト」を立ち上げ自動車分野を強化しているが、こうした中で、パワー半導体用基板の技術深化や適用展開が加速してきている。

 ここでは、同社DCB営業部長の大島久和氏に、パワー半導体用基板の技術と適用展開について話を聞いた。

 

パワー半導体用基板の特徴とアプリケーション

パワー半導体用DCB基板と優位性

 パワー半導体用基板では、放熱性・絶縁性・耐久性が高いアルミナセラミックス基板に銅製(Copper)の回路と放熱板を直接接合(Direct Bonding)させた構造のDCB(Direct Copper Bonding)基板を自社開発し、1995年から中国・上海工場で生産を開始している。これは、当社主力製品のサーモモジュールを応用した製品だが、2005年からは、中国のパワーモジュールメーカーの要請でDCB単独での外販を開始した。2012年には日系メーカーから要望があり、輸出を開始している。

 こうした長年の技術的ノウハウの蓄積によって、DCB製造および回路形成で特徴的な技術を保有していると自負している。1995年から生産を始めた中国・上海工場に加えて、2018年7月には中国・江蘇省に東台工場を新設して生産を拡充、現在パワー半導体用DCB基板は月産60万枚のマスターカード(1枚190mm×138mm)の生産体制を構築、独ロジャース社に続く、世界第2位のシェアを持つ。コスト競争力と納期に強みがあることから、QCT(Quality, Cost, Time)の面でグローバルのユーザーに貢献できるものと考えている。
 

パワー半導体用基板

 

主なアプリケーション

 パワー半導体は絶縁・導電の特性を活かして電力の供給・制御に用いられることから、大きな電力を扱う用途で使われることが多いため発生する熱量も大きくなる。そこで基板には高い放熱性に加え、回路以外の部分には高い絶縁性が求められることから、当社のDCB基板が活躍している。
用途としてはまず、白物家電、特にエアコンのインバータ向けが多い。次いで、産業用機械向けでは、ロボット、NC(数値制御)加工機械、サーボ、インバータなどに使われている。さらに自動車のエンジンやモータ、パワーステアリング、ヘッドランプなどの制御装置の基板として採用されているほか、自然エネルギー(風力発電・太陽光発電など)関連装置のモータ制御用インバータとして用いられている。
 

パワー半導体の主なアプリケーション

 

新分野への展開:オートモーティブプロジェクト

 パワー半導体用DCB基板は、内燃機関車からHEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)といった電動化、さらには先進運転支援システム(ADAS)の搭載などを背景に、需要の増加するモータ制御用インバータ回路の基板として引き合いが増えてきている。

 特に2018年1月からは、「オートモーティブ プロジェクト」を立ち上げたことで、自動車用温度調節シート向けで多くの採用実績を持つ「サーモモジュール」、車載スピーカーで実績のある「磁性流体」、さらにはモータ制御用インバータ向けに実績のある「パワー半導体用基板」と横断的な製品技術による、自動車市場の攻略に取り組んでおり、パワー半導体用基板の車載向け需要も本年から急速に伸びている。現在は評価ステージの段階で、新しいユーザーからの強度や耐熱、耐電圧などに関する信頼性評価の依頼が増えてきている。
 

自動車におけるコア技術製品の主なアプリケーション

 

高信頼性AMB基板の投入

 2020年3月期~2022年3月期の新中期経営計画では、半導体マテリアル、ウェーハ、パワー半導体、洗浄の四つを戦略製品として大幅売上増加を目指している。その観点から、2019年初めから、実績のあるDCBパワー半導体用基板に加えて、窒化ケイ素や窒化アルミニウムを基板とした、より信頼性の高いAMB(Active Metal Brazing:活性ロウ付け法)方式の技術を開発、新工場に量産設備を導入してサンプル出荷を開始している。

 AMBは窒化ケイ素基板と銅回路板の接合に活性金属であるチタンを使用したロウ付けを行う方式で、銀フリーのロウ材を使用することにより、銀の拡散によるエレクトロマイグレーションを避けることができるほか、従来のスクリーン印刷法とは異なりフィルム材を使用することによってロウ材の層を薄く均一に仕上げられるため、他社製品に比べて高信頼性・長寿命を確保できる。

 特に窒化ケイ素基板を用いたAMBは、そうした高信頼性に加えて、車載のパワーデバイスとして用いられるSiCと熱膨張係数の点で相性が良いといったことから、車載向けでの引き合いが増えてきている。上述のとおり信頼性評価のサイクル試験を実施している。自動車メーカーからは、-55~300℃といった温度変化を1000~2000サイクル実施しても、銅パターンのはく離やセラミックス基板のクラックが発生しないといった、強度の向上や寿命の延長を要求されており、当社では設備や工程の改善、技術の確立を急いでいるところだ。

 

今後の展開

 戦略製品の一つであるパワー半導体については、工作機械向けや自動車向けなどでも需要の増加が見込まれるなど、2025年までに30%超の成長、3兆円超の市場が予想されている。これに対し当社でも、2018年の東台新工場の立ち上げによる生産キャパシティ増加に伴う、大幅増収を見込んでいる。

 ラインナップとして追加するAMB基板に関しては、2020年3月までに月産5万枚のマスターカード(1枚190mm×138mm)の生産体制を構築する計画としている。AMB基板では先行して日本の企業数社が手掛けており当社は後発となるものの、マスターカードの形態で生産している企業は少ないため、DCB基板と同様にQCTの点でユーザーに貢献できると考えている。アルミナセラミックスを用いたDCB基板の需要拡大に加えて窒化ケイ素を主とするAMB基板の車載向けなどの新規需要を見込んで、2022年3月には売上70億円と大幅増収を目指したい。

パワー半導体用基板の売上予測

 

 本年12月11日~13日に開催される「SEMICON JAPAN2019」の当社ブース(東京ビッグサイト 南1ホール ブースNo. 7113)では、ここで紹介したパワー半導体用基板のほか、磁性流体を用いた真空シール、サーモモジュール、ファインセラミックスおよびマシナブルセラミックス、CVD-SiC製品など半導体製造プロセスを支える製品技術を広く紹介する。ぜひ会場に足を運んでいただき、これら技術に触れていただきたい。
 

「SEMICON JAPAN2018」での展示のようす

 

■フェローテックのパワー半導体用基板をよく知るには

kat

JAPAN PACK 2019開催、食品包装で活躍するモーション技術が披露

4年 6ヶ月 ago
JAPAN PACK 2019開催、食品包装で活躍するモーション技術が披露kat 2019年11日11日(月) in


 日本包装機械工業会は10月29日~11月1日、千葉市美浜区の幕張メッセで「JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)」を開催した。同展は、国内外の包装機械、包装資材、包装材料加工機械、食品加工機械、医薬・化粧品製造機器、物流機器および関連機器の新製品を展示公開し、産業の合理化と国民生活の向上に寄与するとともに貿易の振興を図り、業界の発展に資することを目的とするもの。今回は、「きっとみつかる あなたの包程式」をテーマに463社・団体/2282小間の規模で開催された。

 

 ベアリング&モーション技術関連では、以下のような出展があった。

 イグスは、食品包装機械産業に適した様々な製品・ソリューションを展示した。低コストロボット「ロボリンクDP」は統合ギヤボックスを有する樹脂ベースのロボットアームで、従来のロボリンクDCより高精度で耐荷重性能を向上したほか、速度向上とさらなる軽量化を実現している。また、搬送工程で滑らせたい箇所の形状に合わせて自由自在にカットでき、貼り付けるだけで低摩擦・耐摩耗特性を付与でき滑らかな搬送を可能にする高性能ポリマーしゅう動材「トライボテープ」を紹介した。さらに、金型不要で希望の形状のしゅう動部品を造形する「オンラインツール 3Dプリントサービス」を紹介した。
 

イグス「ロボリンクDP」

 

 サーフテクノロジー/不二WPCブースでは、①フィルムを切るギザ刃にフィルムカスが付着して切れ味が悪くなる、②フィルムカスを取るのに手間・時間がかかり最悪の場合は製造ラインが停まってしまう、③刃の再研磨も数回しかできないため新品の購入頻度が増える、といった包装機用ギザ刃のメンテナンスの課題に対して、同社のマイクロディンプル処理®を用いることで、フィルムカスの付着抑制や洗浄性の向上、刃の欠け対策に効果があることをアピールした。また、さらにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングを施すことで、さらなる寿命延長が可能とした。
 

サーフテクノロジー/不二WPC「包装機用ギザ刃対策のマイクロディンプル処理」

 

 ハイウィンは、作業範囲が広く、高速・高精度なパラレルリンク機構で、ロボットに視覚システムと自動化機能を搭載して自動ソートする「自動分類ロボットシステム(パラレルリンクロボット/RD403)」を披露した。欧州規格EN1672-2対応のため食品産業にも適している。また、単軸リニアモータ位置決めステージ「SSA」や、ボールねじとリニアガイドウェイをモジュール化したACサーボモータ付単軸ロボットなど、同社製品を組み合わせた「ガントリーシステム(SSA-単軸リニアモータステージ、単軸ロボット採用)」を紹介した。
 

ハイウィン「パラレルリンクロボット/RD403」


 

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「ハノーバーメッセ2020」プレスカンファレンス開催、見どころを紹介し日本企業の出展を募集

4年 6ヶ月 ago
「ハノーバーメッセ2020」プレスカンファレンス開催、見どころを紹介し日本企業の出展を募集kat 2019年11日11日(月) in

 2020年4月20日~24日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される独・ハノーバーにて開催される世界最大の産業技術見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2020」(主催:ドイツメッセ/ドイツ・ハノーバー)に関して、11月6日にプレスカンファレンスが開催、概要と見どころが紹介された。

 また、日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部からは、日本企業の出展が呼びかけられた。

右から、ドイツメッセ・マルコ ジーベルト氏、インドネシア共和国大使館・リマ チェンパカ氏、ロボット革命イニシアティブ協議会・久保智彰氏、日本電機工業会・苗村万紀子氏、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ・渡部裕二氏、日本能率協会・竹生学史氏

 

 当日はまず、ドイツメッセ ハノーバーメッセ国際関係担当部長 マルコ ジーベルト氏が「ハノーバーメッセ2020」の開催概要と展示プログラムについて紹介した。

 日本を含む75ヵ国から6000社を超える出展企業と、95ヵ国から20万人を超える来場者が参加する見込みで、出展企業の約60%、来場者の約40%はドイツ国外からの参加となる。
世界の製造業がデジタル化、個別化、環境保護というメガトレンドを主要因とする急速な大変革期の真っただ中にある中で、「ハノーバーメッセ2020」では「Industrial Transformation(インダストリアル・トランスフォーメーション)」をメインテーマに、インダストリー4.0、FA、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、5G、スマートロジスティクスなどの最新トレンドとトピックスすべてに光を当てる。

 今回は、“Automation, Motion & Drives(自動化、駆動技術、Hall 5~9, 11~13)”、“Digital Ecosystems(デジタルエコシステム、Hall 14~17)”、“Energy Solutions(エネルギーソリューション、Hall 11~13、27)”、“Engineered Parts & Solutions(高度な工業部品・ソリューション、Hall 19~20、22~23)”、“Future Hub(未来の新技術、Hall 21、24)”、“Logistics(物流、Hall 2~4)”といった六つの会場構成による展示プログラムを用意、産業界の主要トレンドとトピックスをカバーする約80の会議とフォーラムも開催する予定。

来場者が回りやすいテーマ別の六つの会場構成としている

 

 続いて、「ハノーバーメッセ2020」のパートナーカントリーで、同年までに東南アジア最大のデジタル経済国になることを標榜するインドネシアを代表して、インドネシア共和国大使館 経済部 参事官のリマ チェンパカ氏が、同国でのインダストリー4.0への取組みや、「ハノーバーメッセ2020」インドネシアパビリオンでのイベントについて紹介した。

 同国は、2020年までに東南アジア最大のデジタル経済国になることを目指し、AI、IoT、企業用ウェアラブル、先進ロボティクス、3Dプリンティングなどに関わる同国の「Making Indonesia 4.0」ロードマップは、インダストリー4.0の技術の導入とジョイントベンチャーの拡大を通じ、インドネシア産業を近代化することに特化している。「Making Indonesia 4.0」のイニシアティブは製造業の強化を目的に策定、実行の初期段階では食品と飲料、繊維、自動車、化学製品、電子工学といった五つの領域に重点的に取り組む。

 ハノーバーメッセでは毎年、「パートナーカントリー」として特定の国に焦点を当てており、パートナーカントリーは展示会の来場者やメディアの注目を集めるだけではなく、政府関係者も来場する。「ハノーバーメッセ2020」インドネシアパビリオン(Hall21)では、会期中にオープニングセレモニーや文化ショー、ツアー、ビジネスサミット、ビジネスマッチングなどのイベントが予定されている。

 そのほか、日本企業のハノーバーメッセでの出展動向とジャパンパビリオンについて、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ 事務局長の渡部裕二氏、日本電機工業会 スマートマニュファクチャリング特別員会 委員長の苗村万紀子氏(日立産機システム)、ロボット革命イニシアティブ協議会 事務局長の久保智彰氏、日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部 部長の竹生学史氏がそれぞれ発表した。

 2018年、2019年開催に続いて今回も、日本政府が掲げるConnected Industries (コネクティッド インダストリーズ)とその関連技術、製品、ソリューション、最新事例を世界に発信する場として、日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部、ロボット革命イニシアティブ協議会が共同で、「Japan Pavilion For Connected Industries(ジャパン パビリオン フォー コネクティッド インダストリーズ)」を同展に設置する。日本電機工業会、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブと展示エリアを隣接し一体化させ、150m2規模になる予定。

「ハノーバーメッセ2019」でのジャパンパビリオンのようす

 

 ハノーバーメッセ2020ならびにジャパンパビリオンへの出展に関する問合先は、以下のとおり。

(一社)日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部
担当:竹生(たけお)、小坂(こさか)
〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22
TEL: 03-3434-6447
E-Mail: DMS@jma.or.jp
URL: https://www.jma.or.jp/dms/

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ジェイテクト、JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証に参画

4年 6ヶ月 ago
ジェイテクト、JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証に参画kat 2019年11日11日(月) in in

 JR東日本、先進モビリティ、愛知製鋼、SBドライブ、京セラ、京セラコミュニケーションシステム、ジェイテクト、ソフトバンク、日本信号、日本電気は、JR 東日本が主催するモビリティ変革コンソーシアムにおいて、「JR東日本管内のBRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)におけるバス自動運転の技術実証」を実施する。ジェイテクトは、「車体管理者」として車両の提供とステアリング操舵システム機器の設置を担う。

自動運転実験用車両

 

 実験場所はJR東日本管内の気仙沼線BRT柳津駅~陸前横山駅間(宮城県登米市)4.8kmで、実証実験予定期間は本年11月25日~2020年2月14日。気仙沼線BRTにおいて、BRT専用道を用いて、車線維持制御実験、速度制御実験、トンネル内走行実験、障害物検知実験、交互通行実験、車内モニタリング実験など、2018年度の技術実証と比較して、より実運用に近い形での技術実証を行うもの。

 2019年度の技術実証は、JR東日本管内のBRT専用道で大型自動運転バス(日野ブルーリボンシティ)を使用し、実用化を目指す上での自動運転に関する各種技術の検証を行うことを目的とし、以下の実験を行う。

(1)車線維持制御実験および速度制御実験
・BRT専用道上に設置した機器(磁気マーカ)の情報を高感度磁気センサ(MIセンサ)で読み取り、自車位置を高精度に特定することで、GNSS(全地球測位システム)電波の届かないトンネルを含む専用道上を円滑に走行する実験
・車両のアクセルとブレーキを自動制御し、柳津駅~陸前横山駅のBRT専用道上を最高 60km/hでの走行を目指すとともに、決められた位置でスムーズに停止する実験

(2)遠隔監視システムによる車内監視および乗客の動向検知の実験
・車内にカメラを設置して、走行中の乗客の席移動などを人工知能(AI)で検知し、遠隔で走行を監視するオペレーターに自動で通知する実証実験
・乗客の転倒などの事故を防止し、自動運転バスに安全に乗車するための車内モニタリン
グ機能の有用性の検証

(3)無線を用いた信号制御による各種制御実証
・車両の位置情報を無線通信で取得し、自動運転バスと対向車両の一方に優先権を信号情報として通知し、車両1台分の幅のBRT専用道を交互に通行することを実証
・自動運転バスの無線通信は、「700MHz帯ITS無線」「LTE」「Wi-Fi」を併用した信頼性の向上
・「Wi-Fi」ではマルチホップ伝送(無線が届かない箇所にリレー方式でデータを中継し広い通信エリアをカバーする伝送方法)を活用した、トンネル内を含む電波の届きにくい道路沿いでの自動運転制御の実証

 そのほか、日本の衛星測位システムQZSS(みちびき)などを活用した自動運転バスの測位実験や、専用道に設置した機器による障害物検知実験なども行う。

 先進モビリティとジェイテクトは自動運転車両の速度制御・正着制御の技術を検証すべく、自動運転バス(ベース車両:日野ブルーリボンシティ)を用いて実証実験を行う。また、ハンドル、アクセル、ブレーキを自動制御し、60km/hでの走行実現を目指す。さらに、BRT専用道に設置された実際の駅(柳津駅・陸前横山駅)を使用した正着制御(ホームに向かって密着して停止するようハンドルを自動制御)を実施する。
 

 

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イグス、状態監視できる高性能樹脂製耐摩耗スライドレールを開発

4年 6ヶ月 ago
イグス、状態監視できる高性能樹脂製耐摩耗スライドレールを開発kat 2019年10日30日(水) in

 イグスは、機械やプラントで高速スライド走行を行うエネルギー供給システム向けに、従来比5倍の耐久性を確保した高性能樹脂製スライドレールを開発した。この耐摩耗性スライドレールの状態は新開発のEC.Tセンサーで監視が可能で、インダストリー4.0に対応した計画的な保全作業を実施でき、高速・安全な運転を実現できる。

 生産現場をより効率化し、経済的で競争力の高いものとする目的から、機械設計への要求は、システムの高速化、200m以上のストローク、積載量の増加など、ますます高度化してきている。これに伴い、エネルギー供給システムのケーブルやケーブル保護管「エナジーチェーン」だけでなく、スライドレールにも新たな課題が課せられている。

 ガイドチャンネルを走行するエナジーチェーンが、厳しい条件下でも耐摩耗性を実現し長距離で稼働するには、耐久性に優れたスライドレールが必要となる。そこでイグスでは、耐摩耗性すべり軸受における長年のノウハウに基づいて、5m/秒を超える高速用に耐摩耗性に優れた高性能樹脂を新たに開発、スライドレールに適用した。この高性能樹脂製スライドレールはエナジーチェーンに負荷をかけないよう設計されており、広さ3800㎡のイグスの試験施設において従来型に比べて5倍の長寿命が実証されている。

 同社では今回、スライドレールの状態を常時監視するため、EC.Tセンサーも開発した。スライドレールの状態に関する情報を定期的に収集し、重要な技術情報を保守担当者に早期に送信するセンサーで、同センサーは新しい高速用スライドレールに直接埋め込まれ、バッテリー式で、無線で作動する。状態に関する信号は一定間隔でコミュニケーションモジュールicomに送信。icomは様々なセンサーからのデータを蓄積し、既設の保守ツールへの統合が可能となっている。

 レールの摩耗によりセンサー内部のループ回路が露出、ひいては破損し通電が途絶えた場合、寿命計算のアルゴリズムに基づき次回メンテナンスまでの日数が通知される。

 今回開発されたセンサー付きのスライドレールは、自動車製造のリニアロボットや、工作機械のガントリー、7軸ロボットなど、幅広い適用が見込まれている。

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ハイウィン、デジタルブック形式の総合カタログを完成

4年 6ヶ月 ago
ハイウィン、デジタルブック形式の総合カタログを完成kat 2019年10日28日(月) in

 ハイウィンではこのほど、同社製品の総合カタログ(http://www.hiwin.co.jp/general/catalog/html5.html#page=1)をデジタルブック形式で閲覧できるようにした。

 

 内容は以下のとおり。

1. リニアガイドウェイ

2. ボールねじ

3. サポートユニット

4. クロスローラーベアリング

5. 潤滑関連製品

6. 単軸ロボット

7. ACサーボモータ

8. DDモータ・トルクモータ

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